クーポンへの未練断ち切れず…10万円給付で岸田政権 「国でモデル用意」と取りやめ否定

2021年12月14日 21時18分
衆院予算委で立憲民主党の逢坂誠二氏(左下)の質問に答える岸田首相

衆院予算委で立憲民主党の逢坂誠二氏(左下)の質問に答える岸田首相

 岸田文雄首相は14日の衆院予算委員会で、18歳以下への10万円相当給付について、クーポン給付の全面的な取りやめを否定した。各地で全額現金給付への切り替え表明が相次ぐが、「直接的な子どもへの支援など、政策的な効果はある」と強調した。政府は、地方自治体の創意工夫を促す事業だと説明していたが、モデルケースを例示して活用を促進する方針に転じるなど、「原則クーポン」になお固執している。
 立憲民主党の逢坂誠二代表代行は「ほとんどの自治体は現金支給にシフトすると思う。クーポンが原則(という政府方針)を撤回するつもりはないか」とただした。首相は「地域によってはクーポンのメリットを活用したいという自治体もある」と拒んだ。
 政府が来春ごろの配布を目指すクーポンは、使える店舗や購入可能な商品・サービスの選択も含め自治体に委ねる制度設計だった。住民のニーズに応じた創意工夫の余地を残し、地域活性化にもつなげる狙いだったが、現場の負担が増えるとの批判が噴出。無条件の全額現金給付の容認に転じる一因となった。
 山際大志郎経済再生担当相は14日の記者会見で「どういう工夫があり得るか、モデルケースを国でも用意する。サービス提供業者の知恵や工夫も共有する」と説明。政府としてクーポン発行を選んだ自治体を支援する意向を示した。
 ただ、国民民主党の玉木雄一郎代表は予算委で、クーポンを選択肢として残すことに関し「システムを用意しなければならず、967億円の事務費はほとんど削減できない」と指摘。現金給付への全面的な切り替えによって予算の無駄を省き、所得制限を外すべきだと主張した。
 政府は混乱を回避するため、15日にも給付を巡る政府指針を自治体へ通知する。自主財源を充て年内に現金を一括給付する場合でも、事後的に補助金を交付することなどを周知する。(山口哲人)

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