赤木さん妻「不意打ち、ひきょうだ」 政府、森友改ざん真相究明させず

2021年12月16日 06時00分

今年7月、本紙のインタビューに答えた赤木俊夫さんの妻雅子さん

 公文書改ざんを強いられ自殺した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さんを巡る訴訟で、財務省は改ざんの詳細な経緯を明らかにしないまま突然の終結に持ち込んだ。国が訴訟の仕組みを逆手に取り、真相究明への道をふさいだ格好。「不意打ちだ」。俊夫さんの妻雅子さんは本紙の取材に、説明責任を果たそうとしない財務省に憤りをあらわにした。

◆賠償急きょ受け入れ 裁判官騒然

 雅子さんによると、15日に行われた訴訟の進行協議で、損害賠償請求を受け入れる書面を国が示すと、当日までそれを知らされていなかった裁判官を含めて騒然となった。「あっけにとられた裁判官が別室に持ち帰り、手続きに違反はないことを確かめてから(国の書面が)認められた」と振り返る。
 雅子さんがこの訴訟を起こした狙いは、俊夫さんの自殺の原因となった公文書改ざんの詳細な経緯を国から説明させることだった。国はそれを拒んだ形で「国は国民に対しても夫の死の原因についての説明責任がある。非公開の場で臭い物にふたをするようなやり方は、ひきょうだ」と語った。

◆鈴木財務相も赤木さんのお墓参りに否定的

鈴木俊一財務相

 鈴木俊一財務相は15日の会見で「改ざん指示への対応を含め厳しい業務状況に置かれる中で自死に至った」と、指示と俊夫さんの死の因果関係を認めた。
 鈴木氏によると、進行協議直前の10日に賠償請求を受け入れる方針について事務方から相談を受け、13日に財務省として決定。14日に事務方を通じて岸田文雄首相に報告した。首相からは「引き続き丁寧に対応し、真摯に説明を尽くすよう」指示があったという。ただ、当時の関係者らの証言が法廷に出る前の幕引きについて、鈴木氏は「損害賠償訴訟で国の非を認めたということだ」と答えるにとどめた。
 改ざんが行われた当時の財務相だった麻生太郎氏は、俊夫さんの墓参りに消極的だった。雅子さんはこの日「鈴木大臣には夫の墓参りに来ていただきたい」と求めたが、その希望を記者から伝えられた鈴木氏は、森友問題を巡る別の訴訟が続いていることを理由に「慎重な対応が必要だ」として、前任の麻生氏と同じく否定的な考えを示した。(皆川剛)

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