箱根路、初出場実現は早寝早起きから始まった 駿河台大、徳本一善監督、10年の指導

2021年12月16日 07時14分

初の箱根駅伝に向けて懸命な練習を続ける駿河台大の選手たち=飯能市の駿河台大学で

 来年1月2、3日の箱根駅伝に、駿河台大学(飯能市)駅伝部が初出場する。箱根路の名ランナーとして鳴らした徳本一善(かずよし)監督(42)の下で心身を磨き、戦う集団へと変貌。自然豊かな飯能の地で鍛えた健脚で夢舞台での快走を期する。(杉原雄介)
 十一月下旬の夜、キャンパスの一角にある陸上トラックで、部員たちは吐く息も白く懸命の走りを見せていた。キャンパス周辺には起伏に富んだコースが多く、徳本監督は「強くなるには素晴らしい環境」と語る。
 駿河台大は二〇〇五年から箱根駅伝の予選会に挑んできたが、本戦出場は果たせずにいた。法政大で箱根駅伝を四度走り、実業団でも活躍した徳本監督は一一年からコーチとして同大を指導し、翌一二年に監督就任。当時は練習をサボる部員も目立ち「走りたい時だけ走るサークルみたいな感じ。想像よりはるかに下のレベルだった」という。
 「高いレベルのパフォーマンスを発揮するには、不摂生しないことが基本」と真っ先に力を入れたのが生活習慣の改善。早寝早起きに始まり、たばこや深夜までの飲酒をやめるよう説いた。反発もあったが、今は栄養バランスを考えた食事や睡眠時間など、生活の全てを部員たちが管理する。
 練習ではデータの活用を重視。各選手の走行距離やペース配分にコースごとの特徴も反映して分析し、成長具合を細かくチェックした。また、選手のスカウトで強豪高校を訪ねても当初は「どこの大学ですか」という反応だったが、チーム強化への熱意を伝えることで信頼を勝ち取り、有力選手に進学先として選んでもらえるようになった。
 異色のランナーの存在もチームを活性化させる。トライアスロン経験者で中学校教師の今井隆生選手(31)が昨年、心理学を学ぶために休職して同大に編入。一回り近く年が離れた部員たちに準備の大切さを説き、苦しくても手を抜かずに練習する姿勢に、阪本大貴主将(四年)は「みんなの模範的存在」と頼りにする。
 十月の箱根駅伝予選会を八位で通過し、チームの士気は高い。本戦を走る十人は今後正式に決まるが、阪本主将は「控えメンバーも目の色を変えていて、競争が激しくなっている」とチーム状況を語る。
 晴れ舞台に向けて、徳本監督は「結果は後からついてくるもの。目標は決めていない」と話す。自身は法大二年時に一区で区間賞と脚光を浴びたが、二区を走った四年時は肉離れで途中棄権と悔しさもかみしめた。「選手たちには、やり切ったと思える走りをしてほしい」と願っている。

駿河台大を初の箱根駅伝に導いた徳本一善監督


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