トリチウム分離を模索 東電が技術提案11件を検討へ 福島第一原発の「処理水」問題

2021年12月16日 19時34分
 東京電力は16日、福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理しても取り除けない放射性物質トリチウムの除去技術について国内外から公募し、委託先の会社が「将来的な実用化に向けた条件を全て満たす可能性があるもの」として11件を選んだと発表した。東電は今後、これら提案の実用化に向けた課題などを確認する。
 東電によると、提案は国内から42件、海外から23件の計65件あり、うち国内4件、海外7件が選ばれた。企業と外部の研究機関を仲介している「ナインシグマ・ホールディングス」(東京)が、寄せられた提案を技術的に評価した。今回の提案は5月27日~9月末のもので、公募は続けている。
 東電の広報担当者は記者会見で、各案の内容公表について「提案者の意向もあるので答えるが難しいが検討する」と述べた。
 トリチウムは、三重水素とも呼ばれ、放射能を帯びた水素。酸素と結合してトリチウム水になると、水から分離することが難しい。既に分離技術はあるが、福島第一原発で保管する100万トン以上を処理するのは、費用面で大きな壁がある。
 政府と東電は、現状の浄化処理で取り除けないトリチウムを含む処理水を、国の排出基準を大幅に下回る濃度まで海水で薄めて、2023年春から海に放出処分する計画を進めている。(原発取材班)

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