男性警察官の育休取得を後押し、埼玉県警が全国初の体制 欠員が生じた署に支援要員を派遣

2021年12月17日 07時34分

約2カ月の育休を取得し家族と過ごす島崎真洋巡査部長(右)=熊谷市内で

 警察署に勤務する男性警察官の育休取得を後押しするため、埼玉県警は欠員が生じた署に本部から支援要員を派遣してカバーする体制を整えた。育休に特化した人員派遣は全国の警察で初めてという。(飯田樹与)
 県警によると、二〇二〇年度の男性警察官の育休取得率は17・4%。警察署勤務に限ると13・8%とさらに低調だった。これまで短期間の育休取得では欠員の補充はなく、所属部署内で人をやりくりしていた。事件事故の対応や当直勤務が多い警察署では、同僚への負担増を気にして育休取得をためらう傾向が強く、取得しても一カ月程度の人が多かったという。
 そこで県警は今秋の定期異動で、パトカーでパトロールする本部の自動車警ら隊(自ら隊)を十人増員。十月から育休取得者が出た署に隊員をパトカー勤務員として派遣し、署の人数が減らないようにすることで、欠員が生じた部署を署内で無理なくカバーできるようにした。
 十月下旬に次女が生まれ、県警内で初めて同制度を利用した浦和署刑事課の島崎真洋巡査部長(33)は「交代要員が来てくれたので、(職場に)穴をあけてしまうという心配がなくなり、育休を取りやすかった」と歓迎する。
 一歳十カ月の長女穂乃香ちゃんが生まれた時は「(育休を取得する)考えもなかった」というが、今回は妻富士子さん(32)の強い希望に加え、人的補充があることも決め手になったという。育休期間は十一月一日から約二カ月間。「子どもと過ごせる時間は貴重」と穂乃香ちゃん、次女琴乃ちゃんを優しく見やる。
 育休前は子どもが起きる前に出勤し、寝静まってから帰宅する仕事中心の生活が当たり前だったが、一変した。穂乃香ちゃんと散歩したり、子どもたちが寝ている合間に家事をこなしたり。「楽しくもあり、大変でもある。自分だけ仕事をして大変だという態度は取れない。家にいる妻は精神的にも肉体的にも大変なんだと理解しました」。富士子さんは「長女がいやいや期に入りかけの大変な時期。頑張ってくれています」とほほ笑んだ。
 県警は、職員のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の充実に加え、子育ての経験は児童虐待やDV捜査にも生かされると指摘。男性警察官が育休を取得しやすい体制や雰囲気づくりを進めるとしている。

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