米国、ウイグル産の輸入を全面禁止へ…中国への制裁拡大、人権重視で厳しさ増す

2021年12月17日 20時01分
中国の習近平国家主席とオンライン会談するバイデン米大統領=11月15日、ワシントン(AP)

中国の習近平国家主席とオンライン会談するバイデン米大統領=11月15日、ワシントン(AP)

 【ワシントン=吉田通夫】米議会上院は16日、中国政府の少数民族ウイグル族への弾圧に対抗する措置として、新疆しんきょうウイグル自治区からの製品輸入を原則として禁じる「ウイグル強制労働防止法案」を全会一致で可決した。米政府は中国企業などへの制裁拡大も発表した。トランプ前政権時に始まった対中制裁は、人権重視を掲げるバイデン政権で厳しさを増している。
 法案では、ウイグル族の強制労働に関与していないという証明がない限り、同自治区からの製品輸入を差し止めると規定。ウイグル産の部材を組み込んだ完成品も対象で、同自治区内にサプライチェーン(供給網)を抱える日本企業も調達先の見直しなどの対応を迫られる。すでに下院は通過しており、バイデン大統領が署名し成立の見通し。180日後に発効する。
 また、米政府はウイグル族への監視など人権侵害に関わったとして中国の計42企業・団体への制裁も発表した。財務省は、投資禁止の対象に小型無人機ドローンの世界最大手DJIやIT関連企業など計8社を追加。商務省は、軍事医学科学学院など34企業・団体を、技術や製品の輸出禁止対象に加えた。
 米国はトランプ前政権時から、同自治区産の綿製品とトマトの輸入を禁止するなど制裁を科している。バイデン政権は人権重視でさらに圧力を強化。ウイグル族への人権侵害を理由に、IT関連企業や太陽光発電装置の部材メーカーなどへの投資や輸出入を禁じる制裁を拡大してきた。今回の米議会や政府の動きも、その一環となる。
 バイデン氏は、6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳宣言に強制労働への懸念を明記させるなど、各国にも足並みをそろえるよう要求。今月6日には、ウイグル族への弾圧を理由に北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交ボイコット」を発表し、英国やカナダなどが同調した。9~10日に主催した「民主主義サミット」でも中国を念頭に圧政批判を展開し、オーストラリアなど3カ国とともに人権侵害につながる監視技術の輸出管理を強化する枠組みをつくった。
 中国政府は一貫して人権侵害を否定しており、亀裂が深まっている。

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