金融正常化に取り残される日本…日銀が大規模緩和を維持 決定会合

2021年12月17日 21時16分
金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の黒田総裁=17日午後、日銀本店で(代表撮影)

金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の黒田総裁=17日午後、日銀本店で(代表撮影)

 日銀は17日の金融政策決定会合で、国債を大量に買い入れ、金利を低く抑える大規模な金融緩和策の維持を決めた。欧米の中央銀行は利上げ方針などを相次いで示し、金融正常化に動くが、物価の上がらない日本は取り残されている。(皆川剛)

◆コロナ対応、中小企業向けは半年間延長

 会合では、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた中小企業に融資する金融機関が、日銀から有利な条件でお金を借りられる支援策を来年9月末まで半年間延長することを決めた。
 黒田東彦はるひこ総裁は記者会見で「中小企業などの資金繰りに万全を期すため」と説明した。一方、資金繰りに余裕の出てきた大企業については、社債買い増しなどの特別措置を予定通り来年3月末で終える。

◆米FRBは量的緩和終了を前倒しへ

 欧米では、コロナ禍からの経済活動の再開や、原油高などで物価上昇が激しい。過度なインフレを警戒し、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月15日、国債などを買い入れる「量的緩和」の終了時期を来年3月に前倒しすることを決め、来年中に政策金利を3回引き上げる見通しだ。16日には欧州中央銀行(ECB)が資産の緊急買い入れ終了を、英イングランド銀行(BOE)も利上げを決定した。
 日本でも、円安による原材料高で企業同士の取引物価は10月に前年同月に比べて8%上昇。しかし、消費者の買い控えを恐れ、価格に転嫁が進まず、物価上昇率はほぼ0%で推移している。「物価上昇率2%」を目標に掲げる日銀は動けない。

◆円安が加速する可能性も

 日本と海外との金利差が拡大し、円を売って外貨を買う動きが広がると、円安が加速する可能性がある。黒田氏は「現在の状況を見ると、為替の円安は日本経済にプラスに作用する」とした上で「海外中銀の決定が日銀の政策スタンスに影響を及ぼすことはない」と述べた。

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