NHK「倫敦ノ山本五十六」主演の香取慎吾 「軍縮会議」の思い 注目を

2021年12月18日 07時41分

「時代がのしかかってくる感じだった」と山本五十六役を振り返る香取慎吾

 香取慎吾(44)が米ハワイ・真珠湾攻撃を指揮した旧日本海軍連合艦隊司令長官の山本五十六を演じるNHKドラマ「倫敦(ロンドン)ノ山本五十六」が、三十日午後十時から総合で放送される。太平洋戦争開戦八十年に合わせて制作。香取は「先輩俳優たちも演じた人物でプレッシャーだったが、監督やスタッフ、重厚なセットなどすべてが役(の世界)に連れていってくれた」と感謝。新発見の文書を基にした新たな山本像に全身全霊で挑んだ。 (上田融)
 舞台は、日米開戦七年前の一九三四(昭和九)年。山本は、ロンドンでの米英などとの軍縮会議予備交渉の代表を命じられる。国際的孤立につながる交渉決裂の回避を探る山本だが、軍縮条約から脱退し、軍備拡張を望む上層部との間で厳しい決断を迫られる…。
 四一年十二月八日の真珠湾攻撃の成功で、「英雄」とたたえられた山本だが、米国への留学経験などから国力の差を熟知し、開戦には反対だったという。ドラマでは「英雄」と呼ばれる前、組織の中でもがき続けた姿などが描かれる。
 劇中、山本が上官に囲まれるシーンがある。「『いいえ』が(言え)ない。胸が締め付けられ、『そういう時代だったんだな』と思った」。その影響は子役との撮影にも及んだという。「『もっと気持ちをほぐして演技していいのでは』と思える部分もあったが、そうさせない自分がいた。時代がのしかかってくる感じだった」と振り返る。
 視聴者に見てほしいのが軍縮会議のシーンだ。合意がかなうものもかなわないものもあるが、「一つの国の思いだけでなく、みんなで(緊張関係を高めないよう)未来の話をしている」からだ。「(交渉の)歯車が合わなくて(戦争という)歴史が刻まれてしまったが、強い思いを持っている人が増えれば、悪い未来に進むことを少しでも防げるのでは」と考える。
 NHKドラマへの出演は、二〇〇四年の大河ドラマ「新選組!」で主人公の近藤勇を演じて以来十七年ぶり。今回、丸刈りにして撮影に臨んだが、以前に丸刈りにしたのが先の大河の制作発表の時だった。頭をなでつつ「丸刈りは気持ちいい。一生このままでいいぐらい」と笑った。

「倫敦ノ山本五十六」から

◆開戦80年企画 若い世代の共感意識

 NHKは太平洋戦争終戦80年の2025年8月まで戦争関連番組をシリーズ化する計画で、開戦80年の番組も複数制作した。
 今後の番組では、「80年前にSNSがあったら お笑い芸人編(仮)」(総合28日午後10時50分)を放送。現代の若手俳優が昭和の喜劇王と呼ばれる古川ロッパ(1903〜61年)に転生し、先の戦争を追体験する試みで、若い世代にも共感できる戦争企画を目指したという。
 BS1では「歩兵第11連隊の太平洋戦争」(19日午後10時)。旧日本陸軍は真珠湾攻撃の1時間あまり前にマレー半島に上陸。この地を植民地としていた英国軍を破り、日本国内では英雄とされた。生存者の証言などから、その実態を伝える。

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