コロナワクチン接種証明アプリ、旧姓併記では発行できず 記録に誤りの恐れも...導入手順や注意点は【動画】

2021年12月20日 21時00分
 デジタル庁は20日、新型コロナウイルスのワクチン接種の電子証明を発行、スマートフォン向け専用アプリが利用できるようになった。アプリを操作すると、スマホ上で接種証明を表示できる仕組み。同庁は「自治体窓口に行かなくて済み、紙の接種証明書を持ち歩く必要がなくなる」(牧島かれんデジタル相)と利便性を強調するが、利用できない人や、誤った情報が出てくるケースもある。アプリはどのように使い、どういったケースが想定されるのか。(岩田仲弘、坂田奈央)

◆マイナンバーカードは必須 暗証番号3回間違えるとロック

Q 電子証明の自動発行に必要なものは。
A スマートフォンと、本人確認のためのマイナンバーカード、海外用にはパスポートが必要だ。スマホはマイナカードを読み取れる(NFC Type B対応の)端末で、いわゆる2世代前の規格以上なら利用できる。アイフォーン(iPhone)ならiOS 13.7、アンドロイドならAndroid 8.0以降となる。

スマホ画面に表示されるアプリ=デジタル庁提供のデモ動画より

Q アプリはどこからインストールするのか。
A iPhoneならApp Store(アップストア)、アンドロイドならグーグルプレイで「接種証明書」と検索してから無料でダウンロードできる。
Q なぜマイナカードが必要なのか。
A 個人の接種記録は政府が運用する「ワクチン接種記録システム(VRS)」で一元管理されており、記録がマイナンバーとひも付けられているためだ。現在、マイナカードの普及率は40%。マイナカードやスマホを持っていない人は、紙の証明書を市区町村に申請できる。
Q アプリをダウンロードしたら。
A アプリの指示に従い、マイナカードが交付された時に設定した4桁の暗証番号を入力する。3回続けて間違えるとロックがかかり、自治体窓口で再設定が必要になる。入力が終わったら、続けてカードやパスポートをスマホに読み取らせる。その後、自治体の選択画面が出る。
Q 市区町村は、居住地と接種した場所のどちらを選べばよいか。
 接種時に住民票があった市区町村だ。自治体を選ぶと、VRSに登録されている接種者の情報や接種回数、接種日、ワクチンの種類や製品名、製造番号などが表示される。海外用では、パスポートの国籍や旅券番号が記載される。1回目と2回目の接種の間などに住民票を移した場合は、それぞれの市区町村を選んで別々に発行し、保存して表示できる。2回目の証明書だけで提示先の要件を満たせる場合もある。
Q 電子証明に有効期限はあるのか。
A 期限はなく、アプリを起動すればいつでも表示できる。ただ、接種を1回終えた段階で取得した場合は2回目を打った後に、2回終えた段階で取得した場合は3回目を打った後に、それぞれ最新の証明を表示させるためには、あらためてアプリから取得する必要がある。

◆「旧姓併記」のマイナカードでは発行されない

Q マイナンバーカードやパスポート持っていてもアプリで証明書が発行されないケースはあるのか。
A マイナンバーカードに旧姓併記がある人は発行できない。例えば氏名欄に「田中(佐藤)花子」、券面右下の追記欄に「旧氏 佐藤」などと記載されている場合だ。パスポートに旧姓や別姓の併記がある人も同様で、海外用の電子証明書は発行できない。本人確認に関連して技術的な問題が生じるためで、デジタル庁は改修して対応するよう取り組むとしている。紙の接種証明書は旧姓や別姓の併記があっても、自治体窓口で発行可能だ。

新型コロナワクチン接種証明書アプリで表示される接種証明書

◆VRSが「要修正」のままでは発行されない

Q 接種した自治体に確認を求める画面が出るケースがあるというが。
A VRSを巡ってはこれまで、接種したのに登録されていなかったり、誤った記録が登録されたりするケースが相次いだ。このうちシステムが間違いを察知し、「要修正」と認識したものがそのままだと発行されない。デジタル庁によると、「要修正」データは16日時点で約10万件あった。また、接種記録が表示された場合でも、誤っている恐れがある「要確認」データは433万件(同日時点)あり、本人がしっかり確認する必要がある。いずれも修正作業は住民票のある市区町村が行うため、申し出る必要がある。

◆自治体の準備が整っていないと発行できない

Q 20日からすべての市区町村で対応できるのか。
A デジタル庁によると、電子証明の発行は、マイナンバーを取り扱うため、自治体によっては個人情報に関する第三者委員会や議会の手続きを踏む必要があり、20日に間に合わない自治体が出てくる可能性がある。その場合、「選択された市区町村では、まだアプリでの発行受付を開始していません」と表示される。デジタル庁では、アプリによる証明書発行に対応している自治体リストをホームページで公開している。

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