自然に親しめる水辺に 約40年未整備の野川最上流部 国分寺の市民団体が都に陳情

2021年12月19日 07時18分

陳情提出後に会見する連絡会の関係者ら=都庁で

 国分寺市から世田谷区へと流れる野川のうち、約四十年前に整備計画が作られながら実現していない市内の最上流部について、地元住民から「古いコンクリートに囲まれた川を自然に親しめる水辺にしてほしい」と早期整備を求める声が上がっている。五月に市内の有志らがつくったグループは今月七日、集めた一万三千筆余の署名と共に実現を求める陳情書を都議会に提出。今後が注目される。(佐々木香理)
 野川は都が管理する全長二十キロの一級河川。国分寺市内では唯一、流れる川だ。市内の日立製作所中央研究所敷地内にある「大池」付近の湧水を源泉とし、「はけ」と呼ばれる国分寺崖線の湧水を集めながら小金井、調布、三鷹、狛江各市を経て、世田谷区の二子橋近くで多摩川に合流する。

国分寺市内を流れるコンクリート水路の野川

 戦後の開発に伴い都は野川の改修を進め一九八二年、全域で一時間あたり五〇ミリの雨量に耐えられる整備計画を策定。世田谷区−小金井市間はほとんど整備され、水遊びや動植物を観察できる場所も設けられた。
 だが、小金井、国分寺市境にある鞍尾根(くらおね)橋から上流の一・七キロは未整備で、橋の下流の両岸が緑に覆われているのとは対照的に、上流はコンクリート壁のまま。護岸は老朽化し豪雨や地震に耐えられるか住民から不安の声も上がる。

◆1万3000余の署名

野川の早期整備を求めるパンフレット。国分寺側はコンクリート水路のまま未整備の状態が続く=野川復活1万人署名市民連絡会提供

 そこで地元の有志らが五月に立ち上げたのが「野川復活一万人署名市民連絡会」。早期整備を求めるパンフレットを飲食店などに配って街頭で署名活動を行い、一万三千九百十八筆の署名を集めた。今月七日の陳情書提出後に都庁で記者会見した会の国分寺市内の龍神瑞穂さんは「治水、防災面だけでなく、子どもたちが水遊びができ、多様な生物が生息できるような環境にしてほしい」と話した。
 都の担当課は水路を定期的に点検しており、時代とともに下水道も整備されて大雨で水があふれにくくなっているとした上で「整備に向けて多方面の意見を受けている状況」と説明する。陳情書は十五日に都議会環境・建設委員会に付託。来年の定例会で審議される見通しだ。

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