誰もが働けるように LGBTQに理解 発達障害ある人らの支援事業所、渋谷にオープン

2021年12月19日 07時30分

障害者ら対象の就労移行支援事業所を開設した薬師さん(左)と、長谷部渋谷区長=同区で

 性的少数者(LGBTQ)への理解ある対応を掲げ、精神疾患や発達障害がある人向けの就労移行支援事業所が今月、渋谷区にオープンした。自身もトランスジェンダーで発達障害がある運営団体代表の薬師実芳さんは「LGBTQを含む誰もが、安心安全に福祉サービスを利用できるようにしたい」と話す。(奥野斐)
 事業所は法に基づき福祉サービスを行う「ダイバーシティキャリアセンター」(代々木三)。LGBTQのキャリア支援を行う認定NPO法人「ReBit(リビット)」が運営し、就職を目指す障害者らが必要な知識の取得やスキルの向上を図れるよう支援する。LGBTQの知識や理解がある専門相談員が対応する。LGBTQでない人も利用できる。
 利用者は週数日、面接練習や職業訓練ができる。企業の人事担当者や社会人の先輩らとの交流を通じて働く自信や目標を見つけてもらいたいという。
 LGBTQであることは障害ではないが、社会に根強い差別や偏見からメンタルヘルスを害しやすく、うつを経験した人も少なくない。薬師さんによると、職場生活の中や福祉サービスの利用時、差別的な言動や理解のない対応で傷つけられたり精神疾患になったりする人もいるという。
 十四日、報道陣向けのイベントがあり、同性カップルを公的に認める「パートナーシップ制度」を二〇一五年に全国で初めて導入し、LGBTQの支援にも力を入れている渋谷区の長谷部健区長が登壇。区の福祉行政などを紹介していた。
 薬師さんは女性として生まれ、今は男性として暮らすトランスジェンダー。注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断を受けており「複合的マイノリティー」の一人という。こうしたことを理由に以前、職場で嫌な思いをして休職や退職を経験。安心して使える福祉サービスがないと感じた。
 リビットの活動の中でも「福祉サービスを利用した時に差別的な言動を受けた」といった声も寄せられていた。薬師さんは「複合的なニーズに対応できれば」と話している。
 定員は二十人。利用要件などの問い合わせは、同センター=電03(4577)9735=へ。

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