日大の田中英寿前理事長、起訴内容認める方針「大金が急に入り、迷った末...」と供述か 5200万円脱税事件
2021年12月20日 19時02分
日本大学前理事長の田中英寿容疑者(75)の脱税事件で、東京地検特捜部は20日、所得税法違反罪で田中容疑者を起訴した。特捜部は妻も共謀した疑いがあるとみて捜査していたが、従属的な立場だったとして立件を見送った。田中被告は起訴内容を認め、修正申告する方針。弁護人は同日、東京地裁に保釈を請求した。
起訴内容によると、田中被告は2018年と20年、日大医学部付属病院の建て替え計画などを巡り、日大の取引業者から受け取ったリベートなど約1億1800万円を税務申告せず、所得税計約5200万円を脱税したとされる。
隠した所得の内訳は、医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳被告(61)=背任罪で起訴=からの計7500万円、大阪府の設計事務所からの1000万円、日大工学部の災害復旧工事を受注した金沢市の建設会社からの3000万円と、元理事の井ノ口忠男被告(64)=同=が業者から集めた300万円。事業受注の謝礼や理事長再任祝いなどの趣旨だった。
関係者によると、田中被告は逮捕当初、現金授受を否定し「税務申告は妻が税理士に頼んでおり、任せっきりだった」と容疑を否認。しかし、妻が籔本被告に、現金提供のお礼を伝えた留守番電話のメッセージが残っていたことが判明。妻に嫌疑が及ぶことを危惧し、脱税容疑を認める考えに転じたという。「給与、不動産所得以外の大金が急に入り、迷った末、税務申告しないように妻に指示した」などと供述したとみられる。
先月29日の逮捕を受け、日大は今月1日に田中被告の理事長辞任を了承し、3日に理事を解任。15日には評議員も解任した。
【関連記事】「何これ、会議だよね?」日大理事が明かす自由な言論なき理事会 田中英寿被告が君臨した弊害
【関連記事】日大の田中前理事長を脱税の疑いで告発 20日にも起訴へ 「紙袋入りの現金1000万円」受け取った妻は見送りか
【関連記事】「人事はちゃんこ屋で決まっている」脱税容疑で逮捕の日大理事長、田中英寿容疑者の権力と「集金マシン」
【関連記事】日大の田中前理事長を脱税の疑いで告発 20日にも起訴へ 「紙袋入りの現金1000万円」受け取った妻は見送りか
【関連記事】「人事はちゃんこ屋で決まっている」脱税容疑で逮捕の日大理事長、田中英寿容疑者の権力と「集金マシン」
おすすめ情報