自民、安保戦略の見直しに着手 焦点は「敵基地攻撃」保有の是非 公明は慎重姿勢

2021年12月20日 20時02分
 自民党は20日、政府の外交・安全保障政策の中長期指針「国家安全保障戦略」などの改定に向けた党内論議をスタートさせた。岸田文雄首相が検討課題に挙げる、弾道ミサイルを相手国領域内で阻止する「敵基地攻撃能力」保有の是非が最大の焦点。来年夏の参院選をにらみ、5月ごろには政府への提言をまとめる方向だが、公明党は慎重な姿勢を崩していない。
 首相は今国会の所信表明演説で、防衛力の強化に向けて「あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討」するとして、敵基地攻撃能力に言及。参院予算委員会では、保有が決まれば「ふさわしい装備を用意する」と踏み込んだ。
 自民党は20日の国防部会と安保調査会の合同会議で、来年1月半ばから週1回のペースで検討を進めることを確認。安保調査会長の小野寺五典元防衛相は記者団に、日本のミサイル防衛システムでは周辺国が開発する極超音速ミサイルなどの迎撃が難しいとの認識を踏まえ、「相手領域内でミサイルを阻止しなければならないという(党側の)考え方は一貫している」と強調した。
 公明党は自民党の動きに神経をとがらせる。山口那津男代表は、首相の所信表明演説に「そこ(敵基地攻撃能力)に主眼があるのではない」と突き放した。その後の記者会見では、自身の発言内容の変化から「態度が軟化したのか」と質問され、「言葉尻を捉えた決めつけはやめなさい」と声を荒らげる場面もあった。
 公明党には、第2次安倍政権下で集団的自衛権の行使容認に転じ、支持者らの失望を招いた苦い経験がある。敵基地攻撃能力は自国の防衛力保持は最小限にとどめる「専守防衛」の方針を逸脱する恐れがあり、保有を認めれば「平和の党」の看板を一層傷つけかねないと懸念する。本格的な与党協議は参院選後に先送りする構えだ。(川田篤志)

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