米軍 合意違反の降下訓練 嘉手納基地 日本の中止要請聞かず

2019年10月30日 02時00分
 在沖縄米軍は二十九日、嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)でパラシュート降下訓練を実施した。日米両政府は嘉手納でパラシュート降下訓練を原則行わないと合意しており、防衛省は米国防総省などに中止するよう求めたが、受け入れられなかった。
 両政府は一九九六年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、伊江(いえ)島補助飛行場(同県伊江村)に降下訓練を集約することで合意。嘉手納での実施は「例外的」とされているが、今年に入って四回目で、SACO合意後では最多となった。米軍が合意を軽視して危険な訓練を繰り返していることに対し、地元はさらに反発を強めている。
 米軍は同日、沖縄本島北西沖にある伊江島補助飛行場でも降下訓練を実施した。防衛省によると、米兵二人が誤って米軍施設外の畑などに着地した。
 政府は嘉手納で降下訓練を実施する例外的な場合として「伊江島では悪天候で実施できず、訓練する喫緊の必要がある場合」を挙げている。この日は伊江島は晴天だった。二カ所での同日実施は極めて異例。
 河野太郎防衛相は記者会見で「SACO合意に反し、受け入れられない」と反発。同日夜には記者団に「日米同盟の維持強化に反するような事案」と語り、米軍を厳しく批判した。
 嘉手納町の当山宏町長は本紙の取材に「これまでは防衛相が米軍に訓練中止を求めることはなかったが、それがあったにもかかわらず米軍は訓練を強行した。米軍は日米の約束事を軽んじている」と憤った。 
  (山口哲人)

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