厳しい環境の子どもたちに多様な絵本を贈りたい! 広がる「ブックサンタ」原書や英訳本も

2021年12月21日 12時00分
 生活苦や被災、闘病など厳しい環境にいる子どもたちへのクリスマスのプレゼントに、絵本を贈る「ブックサンタ」の取り組みが広がりを見せている。5年目となる今年、初めて洋書絵本の専門店が参加。日本語以外の言語の絵本を希望する声も届いており、主催するNPO法人チャリティーサンタ(東京)の担当者は「日本語が母語でない子どもたちへも届けられる」と歓迎している。(長壁綾子)

サンタクロースの格好をしたボランティアから絵本を受け取る子ども=2020年12月、NPO法人チャリティーサンタ提供

 ブックサンタは、趣旨に賛同して参加する書店で、贈りたい人が絵本を購入し寄付すると、NPOが取りまとめ、事前に希望した家庭などにクリスマスイブの日に配る。届けるのは、サンタクロースの格好をしたボランティアだ。
 コロナ禍2年目の今年、絵本を希望した家庭は2118件で、昨年から約900件増えた。NPOには、「経済的な理由から、クリスマスにプレゼントを用意できず、心苦しかった」と切実な声が届く。NPO代表理事の清輔夏輝さん(37)は「希望者の声から、世の中全体の状況がさらに深刻になっていると感じた」と話す。
 今年の参加書店は昨年から154店増え、42都道府県の461店舗になった。初めて洋書絵本の専門店として参加したのが、東京都豊島区の「絵本の家」。日本でも読まれ続ける「がまくんとかえるくん」シリーズや「はらぺこあおむし」の原書などを取りそろえる。担当の上野紋華あやかさん(45)は「海外の絵本は、輸入コストなどもかかり、日本の絵本に比べて価格が高めの傾向があり、手に取る機会がない子もいる。日本語以外が母語で、外国語の絵本を待っている子もいるはずだ」などと参加を決めた。

クリスマスにちなんだ絵本が並ぶ洋書絵本の専門店「絵本の家」=東京都豊島区で

 同店でブックサンタ向けに購入・寄付されたのは、レオ・レオニの「じぶんだけのいろ」の原書、絵入りの英単語辞典、人気作家ヨシタケシンスケさんの英訳絵本、日本の歳時記の英訳本、英語のしかけ絵本や図鑑、地図絵本など多岐にわたっているという。
 清輔さんは「出自が多様な子どもたちへ届けるためにも、いろんな種類の絵本が集まることはうれしい」と、活動の広がりに手応えを感じている。

◆寄付された絵本2万6700冊に

 寄付された絵本は、昨年は2万376冊、今年は2万6719冊(12月20日現在)。絵本の寄付は24日まで受け付ける。参加書店は「ブックサンタ」の特設サイトから。今年渡せなかった絵本は、NPOが来年分や、誕生日などのプレゼント用として保管する。今年のプレゼント希望は締めきった。
 ブックサンタは今年から、フードバンクやひとり親支援の団体、子ども食堂、大学病院の小児病棟など全国120の子ども支援団体と連携。これまで絵本を届けられなかった地域も対象に加えた。

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