子ども関連予算、日本は欧州の半分程度の低水準…こども家庭庁創設へ課題山積

2021年12月22日 06時00分
 政府は、こども家庭庁創設に向けた基本方針を踏まえ、虐待やいじめ、貧困などから子どもを守るための政策の拡充を図る方針だ。だが、予算面の裏付けは乏しく、安定財源の確保が課題となる。1994年の「子どもの権利条約」批准を受けた国内法整備も遅れている。基本方針で「こどもの最善の利益」を理念に掲げる政府の本気度が問われる。
 日本の子ども関連予算は欧州に比べ低水準だ。2021年度版少子化社会対策白書によると、「家族関係社会支出」の対国内総生産(GDP)比は1.65%(18年度)にすぎない。17年度で3%超の英国やスウェーデンの半分程度だ。野田聖子こども政策担当相は「本気で人口減少と向き合うなら3%が必要だ」と強調する。
 だが、基本方針では関連予算の財源について「社会・経済が連帯し、公平な立場で広く負担する新たな枠組みを検討」と記すにとどまった。日本大の末冨芳教授(教育政策)は「子ども政策の財源を増やすのは当然で、政治が国民の理解を得る役割を果たすべきだ」と話す。
 子どもの基本的人権を国際的に保障する「子どもの権利条約」を巡っては、実施状況を監視する国連の権利委員会から、子どもに関する包括的な法整備を勧告されている。これに対し、日本政府は児童福祉法など個別法で対応する立場を取ってきた。
 日本弁護士連合会は、児童虐待や子どもの自殺が増加する一因を「日本で子どもの権利主体性を踏まえた対策が講じられていない」ことだと指摘。政府に「子どもの権利基本法」の早期制定を促す。子ども政策を議論した政府の有識者会議も、政策の基盤となる「こども基本法(仮称)」の制定を求めており、国会での議論が急がれる。(柚木まり)

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