<山崎まゆみのバリアフリーで行こう>東伊豆(上) 目の前に空と海、島々

2021年12月22日 07時22分
 温泉が恋しくなる季節となりましたので、あまたの名湯が湧く伊豆半島の東伊豆地域を、2回にわたりご案内します。今回は絶景旅館。
 伊豆半島東海岸沿いの国道135号から少し中に入ると、海に面した好立地に、古民家風の平屋宿「夢花」があります。

絶景が見渡せる和室リビングと女将の半田さん

 敷地内の駐車場から玄関までは飛び石がありますが、モダンな純和風旅館に入れば完全なバリアフリー。玄関を入ってすぐの14畳の和室リビングは、テーブルをセットして食事もできますし布団も敷けます。隣の寝室にはベッドが2台置かれ、その先の浴場は脱衣所から源泉が注がれる湯船まで、車いすのまま入ることができます。白田温泉の泉質はナトリウム塩化物硫酸塩泉でよく温まります。
 リビング、寝室、お風呂はいずれも、正面に澄み渡る海と空が広がります。伊豆大島や利島、新島、式根島まで見渡せ、その島々が水平線にぽっかり浮かんでいるよう。この絶景に、お客さんは「海から昇る赤い月を初めて見た」と感動するそうです。私は地元の人が「ムーンロード」と呼ぶ、静かな大海原に一筋の月の光が映る神秘的な風景が心に染みます。
 トイレは一般的なものと多目的の二つがあります。

源泉が注がれる湯船の縁まで車いすで入れるという

 「夢花」は1日1組(2人以上予約)限定の宿で、障がい者や高齢者を優先して予約を取っています。それは女将(おかみ)の半田宣子さんがかつて障害のある子どもの学校教員をしていた頃、「子どもと気兼ねなく泊まれる宿がない」という保護者たちの嘆きを聞いてきた背景があるから。そこで理想の宿を求めて13年前に「夢花」を新築しました。バリアフリーだからといって無機質ではなく、雰囲気のある旅館にしたかったそうです。
 「1組限定にしたのは、奇声を出したり、病気でけいれんが起きるお客さんなどにも、人目を気にせずにくつろいでほしいからです。自閉症の子と家族旅行に来られるリピーターさんもいます。そうしたお客さんに注力できるのは、もてなす側としては本望です」 (温泉エッセイスト)
<メモ> 白田温泉「夢花」 静岡県東伊豆町白田1733の60。1泊2食付き1人(2人使用)1万9800円〜、5人使用になると1万6500円〜。(電)・ファクス0557・23・2031。予約は2カ月前から受け付けでファクスのみ対応。

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