パワハラ放置で「モンスター化」 元和光市幹部の詐欺・横領事件 市に第三者委が調査報告

2021年12月23日 07時29分
 元和光市幹部が生活保護受給者から預かった現金をだまし取ったなどとされる事件を受け、市が二〇一九年に設置した「和光市職員による不祥事の再発防止に関する第三者委員会」(委員長・小林伸行名古屋商科大学大学院教授)は二十二日、調査報告書をまとめ、柴崎光子市長に提出した。(中里宏)
 委員会は「余人をもって代えがたいという理由で人事異動の対象とせず、パワーハラスメントにも目をつむるような市の組織風土が元幹部を『モンスター化』させてしまったのではないか」と指摘した。
 事件は、市保健福祉部長などを務めた東内京一被告(58)=詐欺罪などで一審有罪、控訴中=が生活保護を受ける高齢女性や認知症の夫婦らから計七千九百七十八万円をだまし取ったり、横領したりしたとされる。
 委員会は、東内被告が「和光モデル」と呼ばれた地域包括ケアシステムを全国に先駆けてつくったことで、講演する機会が多く、「身なりをしっかりしたい」と高額なスーツを購入するなどの動機があったと指摘。十九年間にわたり保健福祉部に在籍し、五年半も部長を務めたことも不正が可能になった要因に挙げた。
 さらに東内被告は部下にパワハラを繰り返していたとされ、部下の人事部門への訴えが適切に処理されなかったことで職員に「指示に従っておけば自分に責任は生じない」といった無力感が生まれ、不正の後押しになった可能性が高いと指摘。「和光市を全国にアピールする存在として登場した東内被告と、それを利用する市との間で共依存関係が成立した」ことが大きな要因と結論づけた。
 報告書は再発防止策を挙げる一方で「(事件後も)パワハラに近い状況が市役所内に増えたとのコメントが複数ある」「市の人事政策に部外者の影響を感じるというコメントが聞こえてきた」として、なおも問題が残っている可能性を示唆した。
 柴崎市長は「スピード感を持って対応し、市民の不信感を取り除けるよう全力で取り組みたい」と述べた。

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