商品を売らない店って? 「明日」を見せる百貨店とは 大丸松坂屋・澤田太郎社長<じっくりトーク>

2021年12月26日 08時00分
 商品を売らない店? 東京駅八重洲口にある大丸東京店(千代田区)で10月、来店客が実店舗で試して気に入った商品を、店頭のQRコードでネット購入できる展示場「明日見世」がオープンした。どんな狙いがあるのか、大丸松坂屋の澤田太郎社長(61)が語った。(大島宏一郎)

今後の事業展開などについて話す大丸松坂屋百貨店の澤田太郎社長=江東区で

◆商品の作り手の思い紹介したい

 明日見世は、来店客が化粧品や衣料品などを気軽に触れられるギャラリー(展示場)。客に商品を売りつけることはせず、商品の作り手の思いを紹介する場にしたい。例えば、接客担当は「マフラーの素材にペルー産のアルパカ毛を使ったのは南米を貧困から助けるため」と、商品の背景を伝える役割を果たす。
 オープン後は、化粧品に興味を持つ20代の若者が来ており、新たな来店客を呼び込めている。商品は約20ブランドが出店し、客の反応は出店側に伝えている。こうした情報を出店側はマーケティングにも生かせる。明日見世は客に「明日を見せる」という意味。これから売れるものを探す場にしたい。

◆再開発が追い風 東京駅立地を強みに

 全国の乗降客が集まる東京店は、多くの人にコンテンツの魅力を発信するのに使える。今秋の子供服ブランドの企画展では、朝から行列ができた。今後も、広域から客を引っ張れる駅立地の強みを生かしたい。
 東京店は会社帰りに寄るサラリーマンも多く、ゴルフ道具の販売が好調。近隣で働く人のランチ需要を背景に弁当や総菜も回復した。大手保険会社が本社を八重洲に移す計画があるなど、再開発が追い風になると思う。周辺で働く人たちのためにも、いろいろなサービスをやっていきたい。

オフショット 休日の朝食は、ホウレンソウのおひたしなど、自分で料理したものを食べるようにしています。健康のために、隅田川沿いを散歩したりもしています。

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