「銀座の街に鳴り続ける時打ちの鐘・和光」宮﨑香蓮の社会科見学

2022年1月12日 09時40分

女優・宮﨑香蓮が、東京を拠点に歴史を重ねている企業に訪問し、自らインタビュー取材をします。取材先では、「ヒットの秘訣」「受け継がれている歴史や大切にしているもの」を中心に様々な『モノ・ヒト・コト』をお聞きし、歴史について学んだり、業界ならではのお話、これからについて発信していきます。

銀座のシンボル的な存在・和光
銀座のランドマークといえば四丁目交差点にある時計塔。前を通ったことは何度もあったのですが、この建物の中にある和光さんに足を踏み入れたことはありませんでした。今回お伺いしたこちらのクラシカルなビルの中には素敵な空間が……! たくさん拝見させていただきました。
そんな歴史ある和光の生い立ちや今も鳴り続ける時計塔について迫ります。

はじまりは服部時計店から

 銀座四丁目交差点に聳え立つ和光は「服部時計店」から始まりました。創業者・服部金太郎が、明治14年に時計の修理をはじめとした「服部時計店」を開業します。当時は、まだ日本製の時計が少なかったので、横浜の外国人商館から仕入れた海外製のものも販売していました。
 服部金太郎は、もともと新聞社屋だった建物(現・和光の建物)を買い取り、増改築を行ったのちに、明治27年に「初代時計塔」を完成させます。当時は30分ごとに1打鳴り、「時打ち」と呼ばれる音が銀座の街に鳴り響き始めました。初代時計塔が完成し、その翌年、服部時計店はこの新店舗で営業を開始しました。

インタビューに応じていただいた代表取締役社長 石井俊太郎氏。

日本で一日を24時間で区切るようになったのは、明治6年のことです。時計もまだまだ普及していなかったこの時代に「正しく時間を知らせる」ことは、今より大きな意味があったそうです。
初代時計塔のあった建物は、大正12年の関東大震災が起きる少し前に、建て替えになりました。現在の建物が完成したのは昭和7年、今でも銀座にある時計塔は、この時に作られた二代目になります。
 時計塔の鐘は、午前10時ちょうどを知らせるための場合、その45秒前からウエストミンスター式のチャイムが鳴り始めます。皆さんもよく知っている学校で流れるチャイムのようなキーンコーンカーンコーンというあのメロディーです。午前10時ちょうどに合わせて1打目が鳴るようになっており、内部は常にメンテナンスをしながら最新式のシステムも活用しています。正確に時を知らせるように今でも大切に守られています。

ブライダルリングを購入された方には、ここでブライダル記念撮影ができるサービスがあるんですって!この日は、あいにくの雨でしたが。

今回、和光の屋上に上がらせてもらい、時刻ぴったりにチャイムを聞きました。時計の間近で聞くと迫力が違います! そして時計自体、ものすごく大きなことに驚きました。地上からは同時に見ることはできませんが、塔の四面全てに時計があることも初めて知りました。薄い青の文字盤が持つ重厚な雰囲気から、銀座の街を見守り続けきた歴史が伝わってきました。
 昭和20年頃、太平洋戦争の戦禍、連合軍による接収もありましたが、幸いなことに和光の建物はほぼ無傷のまま残ります。しかしながら、和光本館が、現在のように本格的に営業できるまでは、様々な歳月を重ねていきます。当時の社会状況の中、接収中に「服部時計店」の小売部門の業務を継承し、昭和22年に株式会社和光を設立。銀座五丁目にあった仮店舗での営業を始めます。その後、昭和27年には現在と同じ銀座四丁目の場所に移り、今に繋がる「和光」としての営業を開始することになります。当時は、時計をはじめ、工芸品や銀食器、革製品や蓄音機など様々な商品を取り扱っていたそうです。輸入品も多く、他所では真似できない品揃えで、来店するお客様にサプライズを提供していました。この「サプライズを提供すること」は、今でも和光が大切にしていることです。

和光と グランドセイコー の関係って?

 本館の1階・2 階にはグランドセイコーが並び、ここ和光は全世界のグランドセイコー取扱店の旗艦店となっています。服部金太郎は セイコーの創業者で、服部時計店の小売部門が和光になり、和光とセイコーは切っても切り離せない関係です。和光本館の2階にあるグランドセイコーは、セイコーが展開する国産腕時計の最高峰ブランドで、展示コーナーには初代グランドセイコーをはじめ、グランドセイコーに纏わるアーカイブなどが飾られています。
また、新品だけでなく、グランドセイコーの修理部門でオーバーホールをしたビンテージウォッチの販売にも取り組んでいます。いわばビンテージのオフィシャルメンテナンス版ですね。60年以上前に製造された腕時計が今でも現役で使えるというのは本当に驚きです。このサービスは、グランドセイコーのビンテージ的な価値を伝えながら、製造時の最新技術で作られた腕時計を、日常的に使ってほしいという想いから始まったそうです。メンテナンスをしながら何かを大切に使うということはSDGsの観点からも、とても素敵だなと感じました。

グランドセイコーのビンテージを拝見させていただきました。バーのような雰囲気が豊かな気持ちにさせてくれます。

バレンタイン間近!和光オリジナルのチョコレートが人気な理由

 和光で取り扱っているものとして、いまスイーツも話題になっています。そのひとつがチョコレート。バレンタインの時期になると、限定版も発売され行列もできるほどの人気商品です。
和光がスイーツを手掛けたのは昭和63年のこと。始まりはチョコレートショップでした。当時まだチョコレートは子どもの食べ物というイメージが強くありました。しかし和光の食品責任者がヨーロッパで「大人がチョコレートを楽しむ姿」を見て、そんな時代が日本にも来ると予見して始めたそうです。
フランスで本格的に修行をしたショコラティエが一粒ずつ手作りしたものを売り始めます。今では当たり前になったチョコレートの専売店ですが、和光がその草分け的な存在だったとは、これも知って驚きました。
取材時、特別にバレンタイン限定のチョコレートを試食させていただきました。とっても美味しかった……! 歴代のショコラティエが代々受け継いでいるレシピもあるそうですが、新しい意外な素材の組み合わせにもチャレンジしているそうです。是非、食べていただきたい逸品です。

来店以外でも楽しんでもらえる取り組みを!

 今まででも様々な取り組みをされてきた和光では、近年でも新しい取り組みを積極的に行っています。その一つが 3Dフロアガイドやオンライン接客など、実際に店舗に来ることができない方々に向けてのサービスです。ウェブサイト上にある3Dフロアガイドのページでは、店内を歩いているような 360 度の視点でフロアを見ることができ、売り場の豆知識や、おすすめ商品など様々な情報を知ることができます。そこで気になった商品があればオンラインショップで購入することもできます。また、オンライン接客は店頭の販売員が接客を担当し、「商品に寄って見せてほしい」など様々な要望に対応しながらの買い物が可能となっているそうです。
 これらの取り組みは、お店に直接来られない方はもちろん、和光にまだ馴染みのない方が店舗に来るきっかけになれば、という想いから始めたそうです。私もはじめは、「敷居が高いお店じゃないの?」と思っていました。でも実際に和光に行って、そのサービスやお店の雰囲気にふれると、楽しくて、また来てみようかなという気持ちになりました。
 新しい価値観を提供すること、そして新しい層のお客様を常に意識すること、それは創業当時の珍しい輸入品を取り扱っていた頃から変わっていない姿勢だと思いました。取材の途中、時打ちの鐘が鳴る中、商品を見ている時間があったのですが、なんとなく歴史に想いを馳せてしまいました。銀座の街で時を知らせながら、商品やサービスを提供し続ける和光さん、これからもとても楽しみにしております!

取材後記

建物の中に広がる素敵な空間にワクワクしてしまいました。階段の途中に窓枠があるんですが、夕方になると西陽が差し込んでとても綺麗なんだとか。今度その時間に行ってみたいです。それから和光はティーサロンも大人気で、看板商品はパフェ! 季節のフルーツを使っていて、2か月に一度はメニューを変えているそうです。12 時と 16 時に焼き上がるパイも大人気。ああ、食べたい……。最後は食べ物の話ばっかりになってしまいましたが、様々な楽しみ方ができるお店です。皆さんもぜひ足を運んでみてくださいね。お忙しい中、取材に対応してくださった、代表取締役の石井俊太郎さん、執行役員の瀬能亜希子さん、広報の米原さんありがとうございました!

《今回の取材先》株式会社 和光
明治14年に服部金太郎が「服部時計店」として開業。明治27年に銀座の街のシンボルとして、東京・銀座四丁目交差点に面しているところに初代時計塔を構える。グランドセイコーの時計、宝飾品の他、革財布やルームウェアなどのオリジナル商品も取り扱う。近年では、オンラインコンシェルジュというサービスを取り入れ、なかなか足を運べないお客様にも定評いただいている。創業から変わらず、上質なサービスと品揃えを提供し続けている。
住所
東京都中央区銀座4-5-11




PROFILE
宮﨑香蓮(みやざき かれん)
1993年11月20日生まれ。2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演するなど、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
【お知らせ】
・1月13日(木)19:30~19:59
NHK BSプレミアム「ニッポンぶらり鉄道旅」西武池袋線
公式サイト
・1月19日(水)19:00~19:55
「ながさき灯台ものがたり~癒しを求めてトキメキ女子旅~」
NCC長崎文化放送(テレビ朝日系列/長崎県内のみ放送)
・テレビ朝日 木曜ミステリー「遺留捜査」(滝沢綾子役)
・舞台「マミィ!」(赤坂レッドシアター)
・SSFF&ASIA 2020 ジャパン部門ノミネート作品「BENTHOS」主演(美嘉役)
・東京2020オリンピック聖火リレー 長崎県内走行ランナー
・島原ふるさとPR大使

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