調査手法を情報公開 統計不正 総務省が再発防止策

2019年9月30日 16時00分
 政府の統計不正の再発防止策を話し合う総務省の統計委員会は三十日、会合を開き、毎月勤労統計の重点的な検証結果を盛り込んだ報告書を正式決定した。統計の調査手法などを積極的に情報公開し、透明性の高い作業環境づくりを促すことが柱。外部の目を光らせることによって再発防止につなげる。
 報告書では、毎月勤労統計を所管する厚生労働省に対して詳細な調査手法の公開に加え、業務マニュアルを整備して全ての職員が作業内容を把握できるようにすることを求めた。特定の職員が長期に業務を担い、不正が見過ごされてきた反省を踏まえた。外部の研究者にとって調査データを利用しやすくする環境整備も促している。
 不正が発覚した後、過去のデータが一部で保存されておらず再集計が困難になった。このため、必要な情報を電子化して永久保存することを要請。八月に大阪府の調査員による虚偽報告が発覚したことを受け、調査員が業務上の困り事を相談できる窓口も設ける。
 報告書を受け取った高市早苗総務相は記者団に「統計の品質の向上と信頼性の確保に取り組みたい。厚労省が二度と同じ過ちを繰り返さないのはもちろんだが、統計は国民が合理的な判断をするための重要な情報で全ての府省が対策を進めてほしい」と述べた。
<勤労統計不正> 企業の賃金や労働時間を把握する「毎月勤労統計」で、厚生労働省が不正な調査手法を取っていた問題。2004年から東京都の500人以上の事業所で、本来の全数調査でなく抽出した3分の1程度しか調べていなかった。統計を基に算出する雇用保険や労災保険、船員保険の給付額が本来より低くなり、延べ約2000万人が過少支給になった。雇用形態や学歴など労働者の属性別に賃金を把握する「賃金構造基本統計」でも計画と異なる郵送調査をしていた。

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