2.7kmに1200体の「スフィンクス参道」復元完了 エジプト観光の起爆剤に

2021年12月26日 18時33分
 古代エジプトの首都などとして栄えたエジプト中部ルクソールで、観光名所の2つの神殿を結ぶ「スフィンクス参道」の復元が終わり、一般公開が始まった。3500年近く前のスフィンクス像約1200体が2.7キロの参道脇に並ぶ姿は壮観で、政府は新型コロナウイルスで落ち込んだ観光の起爆剤にしようとPRに力を入れている。(ルクソールで、蜘手美鶴、写真も)

25日、エジプト中部ルクソールで、復元された「スフィンクス参道」=蜘手美鶴撮影

 参道は1949年に発見され、2017年から本格的な復元作業が続けられてきた。参道上にあったイスラム教のモスク(礼拝所)などを撤去し、砂に埋もれた像を掘り起こすなどして、先月末に完成した。
 参道は古代エジプト最大規模のカルナック神殿とルクソール神殿を直線でつなぎ、当時はナイル川の氾濫に合わせた祭事で使用したとされる。第18王朝(紀元前1539〜同1292年ごろ)のツタンカーメン王時代に建設が始まり、復元された参道では、時代ごとに頭部が人間やヒツジなどに変化したスフィンクス像を見ることができる。米国から来たウィル・ワーナーさん(33)は「こんなにスフィンクスがいるなんて信じられない。とても感激した」と興奮気味に話した。
 エジプトでは観光は国内総生産(GDP)の15%近くを占める主要産業だが、新型コロナ拡大後は、外国人観光客が激減して大打撃を受けた。政府のスフィンクス参道への期待も大きく、先月末にあった完成式典にはシシ大統領も参加し、花火が打ち上がる様子をテレビ中継するほどの力の入れようだった。

25日、エジプト中部ルクソールで、外国人観光客でにぎわうルクソール神殿=蜘手美鶴撮影

 観光・考古省によると、今年上半期は約350万人がエジプトを訪れ、観光産業がやや回復の兆しを見せている。ルクソール神殿にも大型観光バスがやってくるようになったといい、観光ガイドのアブドラさん(51)は「だいぶ人出が戻ってきた。スフィンクス参道も完成したので、もっとたくさんの観光客に来てほしい」と話した。

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