「冬の風物詩」成果と課題 8大会ぶりに聖地・国立競技場が舞台

2021年12月27日 06時00分

第82回大会で優勝を決め、喜ぶ平山相太(中央)ら国見イレブン

<未来へ 第100回全国高校サッカー選手権㊦>
 雪の中の決勝となった第76回大会の帝京(東京)―東福岡(福岡)、第81回大会から2大会連続得点王で大会通算17得点の最多記録を持つ国見(長崎)の平山相太、第87回大会の10ゴールで一大会最多得点記録をつくった鹿児島城西の大迫勇也(J1神戸)など、多くの名場面、名選手たちが大会を彩ってきた。
 1976年度の第55回大会から会場が関西から首都圏に移り、その数年前から民放での全国テレビ中継の開始と相まって、一時低迷していたサッカーの盛り上がりを築いてきた。「日本が1968年メキシコ五輪を最後に五輪に出られず、アマチュアの日本リーグ(JSL)も観客が入らなくなっていた。サッカー人気が下火になっていく中で、高校選手権はテレビ放送もありメインイベントだった」
 暁星(東京)の監督として大会出場や高体連サッカー専門部などを務めた経験がある、日本サッカー協会副会長で競技会委員長の林義規よしのり=(67)=はそう振り返る。
 第93回大会から東京五輪・パラリンピック開催に伴う建て替えのため決勝などは埼玉スタジアムだったが、今大会は東京・国立競技場が8大会ぶりに会場の一つとして使われる。これまで国立は開会式や準決勝、決勝の会場として、選手たちが「国立に行こう」を合言葉にしてきた。「出場校だけでなく、4000校以上が目指す『サッカーの聖地』になった」と指摘する。

日本サッカー協会の林義規競技会委員長

 「冬の風物詩」として定着した一方、大会の課題もある。放送時間枠の都合などで、準々決勝までは40分ハーフで前後半を行う試合時間がその一つ。「U―17(17歳以下)の世界大会でも45分ハーフ。ユースレベルの大会なら45分ハーフでいい」。40分ハーフだと守り切る戦い方もあり、強豪相手ほど最初からPK戦狙いも出てくる。暁星を率いて10度の出場経験がある自身も苦い経験があるといい、「45分ハーフで延長戦あり、ならそうはならない」とみる。
 101回大会以降に向けてさらなる案も明かす。世代最高峰の高円宮杯JFAU―18プレミアリーグに参加する高校に予選なしで出場権を与え、所在する都道府県の出場枠を実質2校に広げる。また、参加校数増加に伴う予備リーグ戦の実施も一案とし、「選手の観点からも(1チームあたり)2、3試合でき、実力差も反映される。その上でトーナメントにすれば45分ハーフも可能」と話す。
 実現には障壁もあるが「大会自体も発展してほしい。行き着く先は日本の育成。試合環境をいかに整えるか、そのための選手権」。伝統を大事に、進化を忘れない姿勢にも期待する。(敬称略、唐沢裕亮)

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