日本の難民認定率は1%の狭き門 母国の政情悪化で帰れず…そのまま生活困窮も

2021年12月27日 06時00分
 ミャンマーでのクーデター発生は、日本で働く外国人が母国に帰れなくなる危うさを露呈させた。増え続けている外国人労働者は、政情が不安定な国の出身が多い。母国で危機が起きた際にどう保護し、生活を支えるのか、政策の課題として浮上している。(山田晃史)
 日本の外国人労働者は昨年10月末時点で172万人。このうち技能実習生と留学生が4割を占め、日本で働ける期間には限りがある。帰国時期と母国の政情悪化が重なると帰れなくなって、そのまま生活に窮する恐れがある。
 ベトナムやフィリピンなどの東南アジア出身が少なくとも4割近くを占める。2014年にタイで軍事クーデターが起きたほか、カンボジアでは17年に野党が解党に追い込まれ事実上の一党独裁が続くなど、政情不安は珍しくない。
 迫害の恐れがあって帰れなくても、難民に認定されれば職種の制限なく働ける「定住者」の在留資格が得られる。しかし認定率は昨年で1.2%と、20〜50%の欧米に比べハードルが高い。出入国在留管理庁は難民制度とは別に「各国の情勢を個別に判断し、日本で滞在できる資格付与などの対応をしている」という。
 実際にミャンマーの場合、半年から1年更新で就労を認めた在留資格を与える緊急対応を始めた。ただ失踪などの形で技能実習や留学を自分から中断した経験があると、週28時間以内に労働時間を制限される可能性がある。仕事は短時間のアルバイトに限られ、時給の全国平均(マイナビ調べ)で換算すると収入は月13万円前後と、生活は相当に厳しい。
 入管は「賃金や労働時間で法律違反があるなど会社が悪くて失踪した人には労働時間制限はしない」とするが、外国人の難民認定を支援する全国難民弁護団連絡会議の渡辺彰悟代表は緊急対応について「実際には会社側の問題で失踪していても証明が難しいため、外国人の責任とされて労働時間の制限がつきやすい」と運用面の問題を指摘。「本当に帰れない事情のある人は難民認定をすべきだ」と話した。

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