【独自】調布市、また非公開情報の漏えい発覚 個人宅の「建築計画概要書」を中日本高速に 外環道陥没直後

2021年12月28日 06時00分

住宅街の市道で道路が陥没した現場=2020年10月、東京都調布市で

 東京都調布市で昨年10月、東京外郭環状道路(外環道)工事のルート上の市道が陥没した直後、同市が事業者の中日本高速道路に、陥没現場付近の個人宅の非公開資料をメールで送付していたことが分かった。同市では、今年6~10月に計9回にわたり、工事に関する情報公開請求をした男性(74)の個人情報入り請求書の写しを事業者側にメールで送った問題も発覚しており、市の情報管理の意識の欠如が再び露呈した形だ。

◆閲覧期限が過ぎていたが「緊急事態の対応」

 同市が送った非公開資料は、陥没した市道に面した個人宅の「建築計画概要書」で、住宅の面積や所有者、位置図などの概要が記されている。
 概要書は建築確認申請書と合わせ、一級建築士らが行政に提出する資料。建築基準法の規定で閲覧可能な時期を各自治体が定めている。調布市では1994年4月1日以降の概要書の一般の閲覧を可能としているが、この住宅の概要書は、それ以前に提出されたもので、閲覧期限が過ぎた非公開の資料だった。
 メールは昨年10月30日、市街づくり事業課から中日本高速東京支社の東京工事事務所副所長宛てに送信。文面には「ご相談いただいている件についてお送りします(中略)取り扱い注意でお願いいたします」などと記されていた。メールの文面と概要書の写しが、本紙や男性、調布市の長友貴樹市長宛てに今月下旬までに郵送され、発覚した。

東京都調布市から中日本高速道路の担当者に送られたとみられるメールの写し(一部画像処理)。このメールに「建築計画概要書」が添付されていたとみられる

 市は本紙の取材に、中日本高速の依頼を受け、保管庫から概要書を探して提供したと説明。「外部への資料提供の是非を内部で議論したが、陥没発生という緊急事態の対応で協力しようと判断した」(市幹部)という。
 中日本高速の担当者は「受け取ったのは事実で、調布市に提供を依頼した。(陥没発生直後の)昨年10月23日に有識者委員会で早期の原因究明の方針が決まり、地歴や地質、文献などを再確認する必要があった」と話した。
 これらの経緯について、情報公開請求書の個人情報を漏えいされた男性は「こうした特別扱いが、私の情報公開請求書の提供につながったのではないか」と指摘した。

◆情報公開請求巡る漏えいでは市長が直接謝罪

 外環道工事を巡り、調布市に情報公開請求した男性の個人情報を市職員が事業者側に漏らした問題で、長友貴樹市長は27日、市役所で男性と面会し、初めて直接謝罪した。
 面会は非公開で、男性が所属する住民団体「外環ネット」のメンバー4人が同席。男性らによると、長友市長は「大変申し訳ございませんでした」と謝罪し、「深刻な問題と受け止めている。請求書の写しをメールで送るとは理解しがたい。監督責任を感じている」と述べた。男性はこれまでの市側の説明を納得できておらず、年明けに市側と協議することになった。
 この日は、市情報公開審査会(草川健会長)の初会合があり、委員の弁護士3人が市側から問題の経緯などを聞き取った。市側はメールサーバーの容量不足から送信したメールはすべて削除していると報告した。メールの文面に記載されていた「前回同様、取扱厳重注意でお願いします」との文言について市側は「(陥没現場付近の)被害者住民から日々、低周波音などの被害をうかがっており、(それを事業者に伝える)やりとりがあるのでそういう書き方をしている」と説明した。
 委員からは「手続き上に問題があると認識している。事実確認をしていかねばならない」といった意見があった。(花井勝規、加藤益丈)

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