安倍元首相、再び不起訴に失望の声「事件にふたをしたいのだろう」 検察は追加捜査の説明せず

2021年12月28日 20時00分
 「桜を見る会」前日の夕食会を巡り、東京地検特捜部が28日、安倍晋三元首相を2度目の不起訴としたことに、告発した弁護士らからは「再捜査でどれだけ対象を広げたのか不明で、国民の分からないところで結論が出た」などと失望の声が上がった。

「桜を見る会」であいさつする安倍首相(当時)=2019年4月、東京・新宿御苑

 「捜査で何をしたかはお答えしない」。特捜部の担当副部長は記者への説明で、検察審査会の議決後の追加捜査の内容を問われ突っぱねた。
 安倍氏の不起訴を「不当」とした検審議決は、夕食会の費用を安倍氏側が補填ほてんしたことが公職選挙法の禁じる「寄付」に当たるかどうかについて、特捜部が参加者の一部にしか聴取していない点を批判。安倍氏の捜査も「本人の供述だけでなく、メールなど客観的資料も入手し、犯意の有無を認定すべきだ」としていた。
 「不起訴不当」の議決を受けると検察は再捜査するが、強制起訴もあり得る「起訴相当」と異なり、2度目の処分結果が再び検審にかかることはない。7月の議決後、ある検察幹部は「われわれは不起訴だと思っている」と語った。当初から検察は、再捜査で結論が変わる可能性は低いとの見立てだった。

◆「任意聴取で終わらせるのはおかしい」

 関係者によると、最初の捜査で聴取した参加者は約30人。別の検察幹部は、「会費が安すぎる」という認識が参加者のほぼ全員にない限り、寄付の認識を立証できないとし「全員聴取しなくても起訴が難しいことはわかる」と解説。「800人全員に聞けるわけがない。とはいえ検審の指摘なので一応は『検討』する」とこぼす幹部もいた。
 告発人の一人の神戸学院大の上脇博之教授(憲法)は「安倍氏は国会で100回以上うそをついた。安倍氏に強制捜査をせず、任意聴取で終わらせているのはおかしい」と指摘。「『桜を見る会』を追及する法律家の会」の泉沢章弁護士も「検察はこの事件にふたをしたいのだろう。年末の忙しい時期の処分は、検察への批判逃れなのではないかと疑ってしまう」と批判した。(小沢慧一、奥村圭吾、三宅千智)

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