「先が見えません」年の瀬、無料の食品求めて続く都会の行列 「パンク寸前」悲鳴上げる支援団体

2021年12月30日 06時00分
 

列を作り、弁当などを受け取る人ら=25日午後、東京都豊島区で(内山田正夫撮影)

 この年の瀬も長い行列ができた。東京・西新宿の都庁前など、都会のあちこちで目にする民間団体による生活困窮者のための無料の食品配布会。コロナ下で激増した利用者は、緊急事態宣言が解除された後も落ち着く気配がない。年越しを前に支援者らは公的支援の強化を訴える。(中村真暁)

配布する食料などの準備をするスタッフ=25日午後、東京都新宿区で(池田まみ撮影)

 「私には先が見えません。今日もこんなところに来てますし…
 毎週土曜日、無料の食品配布会が開かれる都庁前。25日、会場に来ていた千葉県の女性(49)に話を聞いた。学生の娘と高校生の息子の2人を育てるシングルマザー。日払いで給与がもらえる仕事をしてきた。最近は重労働の仕事ばかりで、持病があるため働けない。
 「おかずが減ってしまうのが子どもに申し訳ない。こういう場があるのはありがたいです
 別の土曜日に食品を受け取りにきていた東京都中野区の男性(49)は貯蓄を取り崩し、現在の残金は20万円ほど。年齢のせいか、就職先がなかなか見つからない。

25日に新宿で配布された食料とカイロ=池田まみ撮影

 「コロナ禍が直撃した昨春、30年勤めた飲食関係の企業を解雇された
 「食事は5個入り200円のインスタントラーメン。1個を半分に割り、それを1日1、2食。明日どうなるか分からない不安で、眠れない日が続いている
 この活動を主宰する「新宿ごはんプラス」によると25日は336人が訪れた。昨年の最終土曜日の利用者は154人だったので2倍以上だ。コロナの感染者数が減っても右肩上がりが止まらない。11月20日には、昨年4月の4倍に相当する408人が訪れている。
 大西連共同代表はこう指摘する。
 「コロナ禍で初めて生活が苦しくなったという人がいる。国や行政の支援制度があっても要件などが当てはまらない人もいる。行政は『窓口に来て』と言うだけでなく、遠くで困っている人に何をするかが問われている
 NPO法人「TENOHASI」が東京都豊島区東池袋で月2回行っている食品配布会には11月27日、472人が訪れた。これは、リーマン・ショック直後を超える過去最多記録となった。
 都は27日から1月5日まで居場所がない人にビジネスホテルを提供することにした。
 同法人の清野賢司事務局長はこう訴える。
 「支援現場は有事が続いており、さらに深刻化する可能性がある。都や自治体が対策を取らなければ、民間団体がパンクしてしまう。街に困窮者があふれる状況が、ないようにしてほしい

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