日大教員有志が学長に提案書 営利主義からの脱却、スポーツ偏重主義の見直しなど求める

2022年1月2日 18時58分
日本大学本部=東京都千代田区で

日本大学本部=東京都千代田区で

 日本大学を巡る一連の不祥事に対し、教員有志が今後の大学運営について提案書をまとめ、理事長を兼務する加藤直人学長に提出した。昨年12月17日、日大が文部科学省から不祥事再発防止で行政指導を受けたことを踏まえ、加藤学長が全教職員に具体的な意見や提案を募ったことに応じた。
 昨年末に行われた日大の抜本改革を求めるインターネット署名を主導した教員らが呼び掛け、10学部の教員計161人が賛同。提案書は昨年12月31日付で出され、所得税法違反罪で起訴された日大前理事長田中英寿被告(75)らによる営利第一主義や、権力が集中するピラミッド型組織構造、教育現場と接点を持たなかった旧執行部の姿勢などが不祥事をもたらしたと指摘した。
 その上で89項目の具体策を列挙した。権限を各学部に分散し、本部機能を縮小。2013年に廃止された総長制度を復活させて教員トップが大学を代表し、理事長は学外から選び管理部門の責任者とすべきだとしている。
 相撲部出身の田中被告を筆頭とした競技スポーツ関連の組織は上意下達になりがちだったとして、入試や職員採用での優遇を廃止するなどスポーツ偏重主義を見直す。学外から委員を招いた「真実と和解委員会」(仮称)を1年間程度設置し、受注業者との癒着などの事実関係の調査、記録を提案。自ら率先して過ちを認めた関係者は処罰しないことも盛り込んだ。
 有志から寄せられた意見を取りまとめ、提案書を起草した一人の後藤範章・文理学部教授は「小手先の対応で済ませず根本的に大学運営を見直す必要性について、短期間で多くの賛同を得ることができた」と評価する。
 行政指導で文科省は日大に対し、今月11日までに具体的な再発防止策提出を求めており、後藤教授は「これらの提案がどの程度盛り込まれるか注視したい」とした。(小松田健一)

◆日大教員有志による提案書のポイント

・営利第一主義から教学優先へ転換
・本部機能の縮小と各学部の自律性強化
・総長制度を復活させ、理事長は総長の指名で学外から選出
・スポーツ偏重主義から脱却
・理事は教学部門で過半数を占め、各学部長は兼任する
・「真実と和解委員会」(仮称)を設置

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