住宅購入に痛い追加費用? 太陽光発電の設置義務付け条例に慎重論も

2022年1月3日 06時00分
 東京都が制定を目指す、都内の新築一戸建て住宅の屋根に太陽光発電設備の設置を義務付ける条例。国土交通省や環境省などは2021年4月、一戸建て住宅の設備設置の義務化を巡る有識者検討会を立ち上げたが、同年8月の最終とりまとめでは「将来の義務化も選択肢の一つとして検討」との表現にとどまった。(原昌志)
 検討会では「(設備を)載せられる新築は義務化を」といった肯定的な意見も出たが、「消費者の追加の費用負担感が大きい」などとの否定的な指摘も出ていた。
 検討会で問題視された費用負担について、都は「設備価格は出力1キロワットあたり20万円台まで下がっている。売電や自家消費で投資分は回収できる」とする。ただ、標準的な出力4〜5キロワットで費用は百数十万円になり、屋根の耐久性によっては、さらに費用がかさむ可能性もある。都は今後、補助制度を拡充する方向だが、義務化した場合に補助を継続するかは検討課題の一つだ。
 京都府は条例で大規模施設に設置を義務付けているが、一戸建て住宅は努力義務にとどめた。京都府の担当者は「一戸建て住宅への義務化は今後の課題。住宅購入を考える若い世代にとって、初期費用が上がるのは痛い。相当丁寧に進めなければ難しいのでは」と話す。
 供給側の業界団体関係者は都の条例化の動きについて「一番厳しいところに切り込んできたという印象。詳細を聞いていないので何ともいえない」と漏らす。別の業界団体幹部は「都の案で、太陽光の発電量がどれだけ増えるかはっきりしない。方向性は理解できるが、発電量が伴わなければ意味がない。拙速に進めず、丁寧に検討してほしい」と話した。

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