湿布など自己負担増検討 厚労省 軽症者向け医療費抑制

2019年8月27日 16時00分
 厚生労働省は二十六日、同じような効果の市販薬で代替できる軽症者向けの湿布やビタミン剤、皮膚保湿剤などのうちの一部を、公的医療保険の対象外としたり、自己負担を増やしたりする方向で検討に入った。病院を受診すれば一~三割の自己負担で済み、市販薬を買うより安くなることが多い。過剰な受診につながり医療保険財政を圧迫しているとの指摘もあり、医療費抑制につなげる。
 政府は、団塊の世代全員が七十五歳以上の後期高齢者となり社会保障費が膨張する二〇二五年を見据え、給付と負担の見直しを検討。近く厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会や社会保障審議会で議論を本格化させる。また、与党の要望もあり、政府内に新たな会議体を設置する案も浮上している。
 病院で処方箋をもらって薬を入手する場合、自己負担は一~三割で、残りは税金や保険料から賄われる。市販薬より安く手に入りやすいため安易な受診を招くとされる。
 健康保険組合連合会の試算では、市販薬で代替可能な薬剤費は年二千百二十六億円。湿布や皮膚保湿剤など、どの薬を保険対象外とするかによって抑制額は変わってくる。
 過去にも問題が指摘され、厚労省は治療目的ではないビタミン剤やうがい薬を保険対象外としたほか、医師が一回に処方できる湿布薬を七十枚までとする対応を取ってきた。
 ただ、医療関係者からは「患者が受診を控え、重症化する恐れがある」との懸念もあり、調整は難航しそうだ。
 給付と負担の見直しでは、七十五歳以上の人の医療費窓口負担について現在の一割から二割に引き上げることや、病院を受診した際に一~三割の窓口負担に一定額を上乗せする「ワンコイン負担」制度導入の検討も主な論点となる。
 所得や資産のある高齢者はそれに応じた負担とすることも議論。来年六月ごろにまとめる二〇年度の経済財政運営の指針「骨太方針」で具体的な方向性を示し、二一年通常国会での関連法成立を目指す。

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