バイデン大統領「トランプ氏の陰謀は失敗、民主主義への攻撃」と批判 米連邦議会襲撃事件1年、分断進む

2022年1月7日 23時01分
米ワシントンの議会議事堂で演説するバイデン大統領=AP

米ワシントンの議会議事堂で演説するバイデン大統領=AP

 【ワシントン=金杉貴雄】バイデン米大統領(民主党)は6日、大統領選の結果に納得しないトランプ前大統領(共和党)の支持者らが連邦議会を襲撃し1年となるのに合わせ演説し、事件を「民主主義への攻撃」と非難し、うそを広め扇動したとしてトランプ氏の責任を追及した。一方、共和党内では不正選挙を唱える同氏の主張を支持する声は一層強固となり、米政治の分断は深刻化している。

◆トランプ氏「大統領選自体がウソ」と声明 

 バイデン氏は演説で、トランプ氏について「米史上初めて暴力的な暴徒によって政権交代を阻止しようとしたが、陰謀は失敗した」と非難。国民に向け「民主主義を支持し、法の支配を維持しなければならない。われわれは米国の魂のために戦いに勝つ」と訴えた。
 事件では、暴徒化したトランプ氏支持者らが議事堂を一時占拠し、警官1人を含む5人が死亡、けが人は140人以上に及ぶ惨事となった。襲撃に加わった700人以上が逮捕、起訴されている。だが、保守系のメディアや会員制交流サイト(SNS)などでは「平和的な抗議で暴力はなかった」「襲撃は極左の仕業」などの「陰謀説」が、今も絶え間なく続いている。
 こうした影響で米国民の事件への見方は二極分化。世論調査で「議会を襲撃した人を起訴することは重要」と答えたのは共和党支持者で事件直後の昨年3月は79%だったが、半年後には57%に減少した。
 さらに事件が「政府への攻撃だった」と考える人は全体で6割に達しているが、共和党に限れば29%のみ。トランプ氏に「大きな責任がある」との答えも全体では6割だが、共和党では27%にとどまっている。
 一方、トランプ氏は6日、「大統領選挙自体が大きなうそだった」と主張する声明を発表した。同氏は、選挙を監督し最終的にバイデン氏勝利の開票結果を確認した各州の共和党系当局者を「トランプ派」に置き換える動きを加速させていて、米メディアは「(民主主義が攻撃された)1月6日は毎日続いている」(ニューヨーク・タイムズ紙)と指摘している。

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