真・東京03探検隊 「土との対話が大切? 没頭できる陶芸のおもしろさとは?」(TNCA☆南青山スタジオ・後編)

2022年1月26日 10時01分

お笑いトリオ“東京03”が、大人の好奇心を満たすディープな世界に飛び込む!

お笑いトリオ「東京03」のメンバーが、これまで知らなかった未知なる世界に足を踏み入れ、さまざまな新発見と出合う人気の連載。
考古学、芸術、科学、サブカルなど、あらゆる分野に触れて見聞を広め、“デキる大人”としてのたしなみを磨きます!
前編に続きテーマは“陶芸”。土を練り、ろくろを回して自分が理想とする器を作っていく陶芸は、高い集中力と繊細さが求められるもの。わずかな力加減の変化や心の乱れで形はくずれてしまいますが、完成した時の達成感も大きく、最近では心を無にして没頭できる趣味として楽しむ人も増えています。知れば知るほど奥が深い、陶芸の世界。その魅力を、探検隊の3人が身をもって体験してきました!
いよいよ、後編です。

失敗から、粘土の扱いを覚えていく隊員たち

ろくろの前でスタンバイOK! 豊本隊員がお茶碗、飯塚隊員が湯呑み、角田隊員がお皿を作ります。

中野さん

中野さん

「安定感がなんといっても大事。両肘を太ももの上にしっかり乗せた構えで。手が安定していると、粘土も安定します」


右も左も分からない3人。最初は中野さんに指導いただきながら手順を覚えていきます。

中野さん

中野さん

「真ん中に穴を開けて指をチョイと曲げ、両手の中を土で満たします。満たされましたね?」

角田隊員

角田隊員

「え? あ、はい…(笑)」

中野さん

中野さん

「それをぐーっと上げていけば、同じ厚みに整います」

角田隊員

角田隊員

「おー、すごい! 結構回転の力が強いな! 拓さんのサポートなかったら、すぐにくずれちゃいそう」

中野さん

中野さん

「それと粘土を触る際は、 手は“うさぎさん”で」

飯塚隊員

飯塚隊員

「うさぎ…さん?」


中野さん

中野さん

「指の形のことです。よくみなさん、親指と人差し指をベタっと倒したキツネの形になりがちなのですが、それだと摩擦が大きいため力の加減が難しく、失敗の原因になりがちです。うさぎの横顔を見るようにして、器の厚みを整えていきましょう」


豊本隊員

豊本隊員

「ろくろのスピードはどうすれば?」

中野さん

中野さん

「回転というのは、内側より外側の方が速いため、大きい器を作るときはゆっくり回さないと速度が上がりすぎて作業ができない。逆に小さな器を作る際は、速く回すように意識しましょう」

豊本隊員

豊本隊員

「なるほど。じゃあ今回でいえば、お茶碗は中くらいのスピードということか」

中野さんにサポートされながら、黙々とろくろを回す隊員たち。3人とも、全然しゃべりませんね(笑)。
中野さん

中野さん

「豊本さんいいですよ。あれ、豊本さん、息してますか?(笑)」

豊本隊員

豊本隊員

「あ、すみません。息するのを忘れてました(笑)」

飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、どんだけ集中してんだよ(笑)」

角田隊員は、ついやりすぎてしまったようです。
中野さん

中野さん

「角田さん、だいぶ薄くしすぎちゃいましたね(笑)ここからお皿にするのは厳しい…」

角田隊員

角田隊員

「えー! もうお皿は無理ですか?」


中野さん

中野さん

「ええ。なので小鉢にしちゃいましょう」


角田隊員

角田隊員

「えっ!!」

飯塚隊員

飯塚隊員

「ハハハッ!! フライドポテト用の皿を作るんじゃなかったの?食べれないじゃん(笑)」

中野さん

中野さん

「でもいいじゃないですか。フライドポテトのお供のサラダを添えるのに使えますよ」

笑っていた飯塚隊員も、一瞬の気の緩みでグニャリとなってしまいました。
飯塚隊員

飯塚隊員

「あっ!! あー、終わった!!」

中野さん

中野さん

「いやいや、花差しにすればいい。キレイな形のものはお店にいくらでも売っているので、今日は思うがままのものを作ってください」


角田隊員

角田隊員

「拓さん、すごいポジティブ(笑)」

飯塚隊員

飯塚隊員

「なにがダメだったんですかね?」

中野さん

中野さん

「手がキツネの形になっていたのだと思います。粘土に対して力が入りすぎてしまった」

粘土の動きは本当に繊細なものですね。高い集中力が求められます。
失敗したものの、ひとつの粘土からはいくつも器が作れるので再チャレンジ。2つ目、3つ目と作っていくうちに3人とも徐々に慣れ始め、中野さんのフォローの手も少しずつ離れていきます。
中野さん

中野さん

「お世辞ではなく、みなさん上手ですよ。角田さんもあれだけ薄くできるっていうのは、指先の感覚がすぐれているということですから」

形成した器を最後に粘土から切り離す“しっぴき”の工程も、なかなか繊細な扱いが求められますが、豊本隊員はひとりで見事に成功!
中野さん

中野さん

「豊本さん、いいじゃないですかー」

飯塚隊員

飯塚隊員

「豊本が拓さんから一番褒められてるなー。いいなー」

角田隊員

角田隊員

「よーし、これなら大丈夫だろ!」

さきほど無念の失敗をした角田隊員、今度はちゃんと皿の形になってきていますね。
飯塚隊員

飯塚隊員

「いい感じじゃん! でも、まだ広げるの? 攻めるね~」

角田隊員

角田隊員

「焼くと2回りくらい小さくなるんでしょ? だからもっと大きくしたいのよ」


土と向き合い、土からのメッセージを感じ取る

ろくろを回し始めてから1時間ほど、3人ともそれぞれ納得のいく器が完成したところで終了。まずは、土まみれの手を仲良く洗います。

この後はこちらの工房で厚みの調整や素焼き、本焼きなど残りの工程を進めてもらい、完成品が手元に届くまでは1ヶ月ほど。いやー、楽しみですねー。

右から飯塚隊員の湯吞み、豊本隊員のお茶碗、角田隊員のお皿です。3つともきれいな形に仕上がりまし…あれ? 角田隊員のお皿がゆがんでしまっていますね。
飯塚隊員

飯塚隊員

「あーあー。なんであんな雑に置くかね(笑)」


器を粘土から切り離した後、台に置いたときにゆがんでしまったようです…。
角田隊員

角田隊員

「最後の最後に気抜いちゃった(笑)。でもこれでポテトがより取りやすくなったよね」

飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、こんな形でなくても全然取れます(笑)」


最後は、色選びです。
陶器の色味を決めるのは、表面に塗られるガラス質の成分“釉薬”で、カラーバリエーションはさまざまです。
中野さん

中野さん

「さきほども申し上げましたが、中に入った料理をイメージしながら選ぶといいですよ。角田さんのお皿は、ひび割れした箇所に金も加えましょうか」

豊本隊員

豊本隊員

「え、じゃあむしろかっこよくなるじゃん(笑)」


角田隊員

角田隊員

「やったぜい!!」

転んでもただでは起きない角田隊員。彼はやはりもっている男のようです。
飯塚隊員

飯塚隊員

「緑茶を入れるのに緑の湯吞みはどうですかね? 緑に緑もおもしろいかなと」


中野さん

中野さん

「個性的でいいと思いますよ。色も形も、なんでも自由です」

そして、3人とも好みの色を選び終えました。あとは完成を待つのみ。
飯塚隊員、とっても満足そうですね。
中野さん

中野さん

「今日の体験は以上になりますが、いかがでしたか?」


飯塚隊員

飯塚隊員

「いやー、めちゃくちゃ楽しかったです。僕は初めてだったんですけど、こんなにひとつの作業に集中したのは、すごい久しぶりかも」

豊本隊員

豊本隊員

「やっぱり陶芸は手先の器用さが大事なんですかね?」

中野さん

中野さん

「もちろんそれもありますが、あとは土の意見を聞くということですね。“これ以上薄くなるとくずれてしまう”とか、“指が乾いてくると土にひっかかる”とか。土はいろいろメッセージを発信しているので、それに合わせて自分がふるまいを変えていくしかない。土は変われませんから」

飯塚隊員

飯塚隊員

「はーーー!! なんだか今の言葉すごい納得できた。じゃあ潰れちゃったりしたときは独りよがりだったってことなんですね。角田さんのお皿みたいに」


角田隊員

角田隊員

「やめろ!! あれは失敗ではなくて狙い通りなんだよ(笑)」

飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、さっき気抜いちゃったって言ってたじゃん(笑)」

中野さん

中野さん

「上手くいかなかったときは、自分の意見を押し付けていたということ。とはいえ、相手は土ですから、何を伝えようとしているか最初はさっぱり分からない。土としっかり向き合いながら陶器を作り続けていれば、段々と理解できるようになってくると思います」

こんな感じに仕上がりました

これにて陶芸体験を終えた3人。陶器作りの楽しさに気付くことができ、また、思い出の作品も作れて大満足の時間が過ごせました 「触っていると心が落ち着く」と飯塚隊員が何度か言っていましたが、土にはそういった不思議な魅力があるのでしょうね。これから趣味として始めたいと思った人は、ぜひ工房に足を運んでみてください。
とてもやさしく、丁寧に指導してくださった中野さん、そして工房のみなさん、ご協力ありがとうございました!

読者プレゼントは終了いたしました。


取材協力/TNCA☆南青山スタジオ
表参道駅から徒歩3分ほど、国内外で注目される気鋭の陶芸家・中野拓氏が手掛けるスタジオ。一日陶芸体験や、3つのクラスに分かれた陶芸の会員教室などのプログラムを実施しており、国内はもちろん外国人利用客も多い。また、天然漆を用いてひびが入ったり割れたりした器を修復する“金継ぎ”の体験も可能。プログラムは完全予約制。
DATA
住所/東京都港区南青山3-8-2
営業時間/11:00~21:00※曜日やプログラムによって異なる
定休日/無休

※新型コロナウィルス感染症の影響で、掲載したお店や施設の臨時休業および、営業時間などが変更になる場合がございます。事前にご確認ください。
◆◆◆

今回の取材の裏側をこちらの動画でご覧いただけます。これからも「真東京03探検隊」取材の様子をご覧になりたい方は、ぜひYouTube『東京新聞チャンネル』に登録お願いします。

関連キーワード


おすすめ情報

東京03探検隊の新着

記事一覧