謎のヒーローが入浴中に騒ぐ客を一喝…湯船で読む漫画「セイント☆セントー」 台東・墨田の3銭湯で人気

2022年1月11日 07時06分

浴場内に漫画を貼る長沼雄三さん(左)とメソポ田宮文明さん=台東区根岸の「ひだまりの泉 萩の湯」で

 台東区根岸の「ひだまりの泉 萩の湯」など、同区や墨田区にある銭湯三カ所で、耐水紙に描かれ、浴槽近くの壁に貼られる漫画「銭湯戦士 セイント☆セントー」が人気だ。湯船につかりながら、入浴のポイントや銭湯の豆知識が身につく内容で「続きが気になる」と、漫画目当てに訪れる人も増えている。(太田理英子)
 「今、銭湯では新型コロナ防止のため『しゃべらないで入る』黙浴をやってるんだぞ!」
 シルクハットにマスク、マント姿の謎のヒーローが入浴中に騒ぐ客を一喝する。その名はセイント☆セントー。若者や鬼などに銭湯の入り方や、魅力を伝える使命を帯びている。有名人のオマージュというキャラクターも多く登場する。
 漫画では、「タオルは銭湯でも借りられる」「体を洗ってから入浴する」といった知識を伝え、浴場での掃除の工夫や入浴中に地震が発生した際の対処法なども紹介している。
 漫画公開は、萩の湯の店主・長沼雄三さん(45)が「浴場はテレビがなく、スマホも持ち込めない。壁を生かして、何か楽しんでもらう方法はないか」と考えたのがきっかけ。
 二〇一七年末、知人で、銭湯文化を発信するグループ「銭湯もりあげた〜い」のメンバーのメソポ田宮文明さん(56)=葛飾区=に相談。メソポ田宮さんはイラストレーターで、漫画を描くのを「こんなチャンスはない」と、快く引き受けてくれた。
 翌年二月から萩の湯のほか、長沼さんの兄が経営する「薬師湯」(墨田区向島)、弟が経営する「寿湯」(台東区東上野)で公開を始めた。漫画は水にぬれると貼り付く耐水紙一枚に描かれている。大きさは縦四十センチ、横六十センチが中心。浴槽近くの壁に貼られる。浴場外では非公開。毎月一日に新作を発表し、二一年末までに四十五作を数えた。
 漫画見たさに訪れる客も徐々に増え、各銭湯のツイッターに反響が寄せられている。店に置いているバッジなどのキャラクターグッズも売れているという。
 長沼さんは「ありがたいことに、人気が定着してきた。銭湯の存在を知ってもらうには工夫が必要。グッズもさらに展開していきたい」と意気込む。メソポ田宮さんは「私にしかできないデザイン、イラストで銭湯を盛り上げたい」と話している。

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