「学食のレベルではない」東大柏キャンパスのすし店 「日替わり丼」10年で1000種類

2022年1月11日 07時22分

「地魚5貫にぎり」を手に「知られざる魚のおいしさを伝えたい」と話す浜弘泰さん=東京大柏キャンパスの「お魚倶楽部 はま」で

 「学食のレベルではない」とメディアにも紹介され人気の、東京大柏キャンパス(柏市)内にあるすし店「お魚倶楽部 はま」が、ランチタイムの看板商品「日替わり丼」の提供を始め、十年余りたった。定番だけでなくマンボウといった変わり種も主役にするのが特徴で、これまでのメニューは千種類にも上るという。店主の浜弘泰さん(76)は「食べたことがなくてもおいしい魚の魅力を伝えていきたい」と話す。(加藤豊大)
 「今日のランチ丼はハマチ漬け丼です」。はまの公式ツイッターでは平日毎日、仕入れに応じてネタが決まるワンコイン丼が写真付きで紹介される。税込み五百五十円とお手ごろな値段で板前による海鮮丼が味わえるとあり、お昼時はキャンパスに拠点がある同大・大気海洋研究所の研究者や学生でにぎわう。「東大キャンパス内の本格的なすし店」と新聞やテレビで何度も取り上げられ、県内外から一般客も訪れる。
 日本料理人の家系に育った浜さんは、十七歳ですしの世界に飛び込み、京都府や都内で腕を磨いた。東京都中野区で店を構えていたころ、当時近くに研究拠点があり常連だった同研究所の教授から「キャンパスが柏に移る。学食業者の入札に応募しないか」と誘われたのに応じ、妻の明子さん(56)と一緒に二〇一〇年にはまを開業した。
 こだわりは、マグロやタイといった定番だけでなく、頭が金づちのように大きいホウボウ科の「カナガシラ」やゆがくとおいしさが増すマンボウ、知り合いの研究者らから分けてもらう深海魚など、通常はすしネタとしては使われない魚を活用すること。「世の中にたくさん種類のある魚のうち、普段食べられているのは二割未満。未利用魚の活用が最近話題だけど、おれは三十年以上も前からやってるよ」と笑う。
 「地魚5貫にぎり」(同八百七十円)といった別の日替わりメニューも含めると毎日、こうした珍しい魚を扱う。食卓や料理店にとってなじみがなかったり形が小さすぎたりして、出荷しづらい魚を知り合いの業者からまとめて仕入れて、学食らしい安価を実現している。
 オープンキャンパスの日には例年、深海魚やサメの生態を教授が解説した後に浜さんが目の前でネタとしてさばいて提供する「さいえんす寿司BAR(すし バー)」を開くなど、研究所ともコラボしたイベントを企画。魚の魅力を幅広い世代に発信し続けてきた。
 コロナ禍でこうした触れ合いも一時的に減る中だが、「初めて名前を聞いたり食べたことがない魚を味わっておいしさに驚くお客さんの顔を、これからもたくさん見たい」と意気込んでいる。

仕入れに応じてメニューを決める日替わり丼を紹介するはまの公式ツイッター

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