<参院選>野党共闘 一定成果 1人区、前回届かず

2019年7月22日 02時00分

当選確実になった候補者名のボードを貼る立憲民主党の(左から)長妻昭代表代行、福山哲郎幹事長、枝野幸男代表=21日夜、東京都港区で

 立憲民主、国民民主、共産、社民の野党四党は参院選の勝敗を左右する三十二の改選一人区で統一候補を擁立し、自民党候補との一騎打ちの構図をつくり、二〇一六年の前回参院選の十一勝に迫る十勝を挙げた。安倍政権が進める改憲に反対する野党四党は、自民、公明両党と日本維新の会など改憲勢力による三分の二以上の議席維持も阻んだ。
 野党四党が勝利した十選挙区のうち、大分では無所属新人が元首相補佐官の礒崎陽輔氏を破った。岩手、山形、秋田、宮城、新潟、滋賀でも自民現職に競り勝った。野党四党は宮城、長野以外の八選挙区が無所属新人だった。
 無所属候補も立民や国民が主導して擁立したが、党の公認を得ないことで「オール野党」を打ち出し、各党が支援しやすくしたことが一定の効果を上げた。
 野党四党は市民連合を仲介して、消費税増税の凍結や安倍政権下での改憲反対など十三項目の政策協定を結び、与党の「野合批判」に反論する態勢を整えた。
 複数区では、立民が東京、埼玉や千葉、愛知などで議席を確保。改選前の九議席から上積みした。国民は愛知と静岡で議席を維持し、共産は東京、埼玉で議席を得た。
 ただ、野党四党は一人区の「勝敗ライン」(立民関係者)に定めていた十一勝には届かなかった。
 目標を下回った最大の理由は、野党勢力の分裂だ。前回は共闘の中心となった民進党が一七年衆院選をきっかけに立民と国民に分かれた。支援する連合も両党の間で引き裂かれ、原発などの政策面でも温度差が生まれ、春の統一地方選では議席を奪い合った。
 比例代表の候補者を束ねる統一名簿も実現しなかった。自由党の小沢一郎代表(現在は国民に所属)が統一名簿の作成を求め、国民や連合も同調したが、立民の枝野幸男代表は「迷惑だ」と取り合わなかった。
 統一候補の擁立の遅れも響いた。野党四党は当初、五月の大型連休明けに一本化を終える予定だったが、一部の選挙区で調整が難航し、三十二選挙区で候補がそろったのは六月中旬。三年前より約二週間遅れた。
 野党四党は二一年十月までに実施される次期衆院選に向けて二百八十九ある小選挙区で候補者調整を進めることで合意しているが、参院選の結果を受けてより踏み込んだ協力態勢の構築が不可欠となる。
 枝野氏は二十一日夜の記者会見で、一人区での健闘について「新人ばかりで苦戦すると思っていたが、前回並みになった。野党は大きく連携できた」と評価した。その上で「次は衆院選になる。政権の選択肢としての立場を示していく」と語った。 (木谷孝洋)

インタビューに臨む国民民主党の玉木雄一郎代表=21日夜、東京・永田町の党本部で

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