<参院選>プレミアム付き商品券 PRポスター掲示、与党への支援?

2019年7月20日 02時00分

内閣府から届いたポスターを示す山崎さん=さいたま市浦和区で

 消費税率引き上げによる家計への影響を和らげるための「プレミアム付き商品券」のポスターが波紋を広げている。作成した内閣府が参院選のタイミングで掲示を求め、一部の医療機関が「(税率引き上げを訴える)与党への支援につながる」と反発。専門家も「中立性の観点から適切でない」と指摘している。 (井上靖史)
 ポスターが内閣府から医療機関などに届いたのは、参院選公示後の八~九日ごろ。さいたま市浦和区で外科泌尿器科診療所を開業する山崎利彦さん(54)には医師会を通じて、縦約七十センチ横約五十センチのポスターと、三つ折りのリーフレット百部ほどが届いた。「ポスター・リーフレットの掲示(設置)への協力依頼について」と題した内閣府の文書が同封されていた。
 医師と歯科医師でつくる全国保険医団体連合会の理事を務める山崎さんは「消費税率引き上げには反対」とし、ポスター掲示をためらう。「税率引き上げの抵抗感を和らげる商品券のPRは、特定政党への支援になるのでは。でも、張らなければ、商品券を買える人たちに周知しないことになる」と苦しさを明かした。「せめて、参院選の後に掲示を依頼するべきだ」
 東京・多摩地区の内科医もブログで、ポスターが送られてきたことに不快感を示している。
 商品券を買えるのは住民税が非課税の低所得者と、九月末時点でゼロ~三歳半の子を育てる世帯。内閣府は購入対象者が足を運びやすい場所として、まず各地方厚生局のホームページに掲載された医療機関や、ハローワーク、年金事務所にポスター掲示を依頼した。
 一人当たり最大二万五千円分の商品券を二万円で購入できるが、自治体窓口などに買いに行く必要がある。内閣府の担当者は「税率引き上げの影響を小さくする施策を周知する必要がある。六月末にポスターが刷り上がり、この時期になった。通常の準備の一環」と説明した。
 参院選では与党が十月の税率10%への引き上げを訴え、野党五党は増税の凍結や中止を唱える。このタイミングでの掲示依頼に、公務員問題に詳しい国際基督教大の西尾隆教授(行政学)は「増税の影響を小さくすることの周知は、間接的に与党の応援になる。選挙の争点となったテーマの扱いには慎重であるべきで、違法ではないが不適切だ」と指摘した。
<プレミアム付き商品券> 国の補助で市区町村が発行する。購入できる対象者は2450万人を見込み、関連費用は1800億円。発売は10月ごろに始まり、来年3月まで原則、発行元の市区町村内で使える。高所得者の配偶者や生活保護受給者らは対象外で、住民税非課税者が購入する場合は市区町村に申請して審査を受けることになる。

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