<社説>北朝鮮ミサイル 日米韓協調で自制促せ

2022年1月12日 06時59分
 北朝鮮が今年に入り、ミサイル発射を繰り返している。五日の実験に続き、十一日に発射されたミサイルは、韓国の防衛当局によると音速の十倍(マッハ10)前後の極超音速で飛行したという。
 北朝鮮のミサイル技術は近年、飛躍的に向上しており、従来のミサイル防衛網による対処には限界がある。日米韓三カ国が協調して北朝鮮に自制を促し、対話に導く努力を続けなければならない。
 北朝鮮は昨年一月、党大会で国防力強化五カ年計画を発表したことを受け、巡航ミサイルなどの発射実験を繰り返してきた。
 今年は二月に友好国・中国で冬季五輪が予定され、北朝鮮が挑発を控えるとの見方もあったが、ミサイル発射を続けている。
 今後、北朝鮮にとって重要な記念日が続く。二月十六日は金正恩(キムジョンウン)総書記の父、金正日(キムジョンイル)氏の生誕八十年、四月十五日は祖父、金日成(キムイルソン)氏の生誕百十年に当たる。三月には韓国大統領選も控えている。
 北朝鮮は二年に及ぶ国境封鎖で経済的苦境に陥っている。記念日を機に挑発行動を繰り返すことで国内にたまる不満を抑える一方、対米関係改善の糸口をつかみ、国際社会による制裁の緩和につなげようとしているのだろう。
 しかし、そうした手法は逆効果であり、孤立を深めるだけだ。
 国連安全保障理事会は十日、非公開の緊急会合を開いた。会合に先立ち、一部の国は北朝鮮に対して、自制と対話に応じるよう求める非難声明を発表した。ミサイル発射が今後も続けば、北朝鮮に理解を示す中国やロシアも、追加制裁の支持に回るかもしれない。
 極超音速型ミサイルは変則軌道で低空を高速に飛行し、標的を攻撃するため、従来のミサイル防衛網では迎撃が困難とされる。
 近年開発に力を入れる中ロに加え、北朝鮮が配備に至れば、北東アジア情勢を一変させる可能性もある。日韓両国には深刻な事態だが、歴史問題を巡る対立で意思疎通や情報交換ができていない。
 北朝鮮と向き合い、東アジア情勢を改善させるためにも、日韓両国の関係改善が急務である。

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