2市立図書館 趣向凝らし貸し出し「日本一」 笠間・キーワードだけで本探し/潮来・高齢者向け大活字本拡充

2022年1月13日 07時08分

内容が分からないようカバーをかけた本を手に取ってもらう「仮面読書会」=笠間市立笠間図書館で

 日本図書館協会(本部・東京)のまとめによると、笠間市と潮来市の市立図書館の個人向け貸出冊数が二〇一九年度、同じ人口規模の市区でそれぞれ「日本一」だった。笠間市は九年連続、潮来市は六年連続の一位。両市とも、日常生活や文化の向上に役立ててもらおうと「利用される図書館」づくりを目指している。(出来田敬司)
 笠間市立図書館の貸し出し点数は、笠間、友部、岩間の三館合わせて百二十四万七千四百六十二点。「人口六万人以上八万人未満の市区」の区分で、全国百十四市区のトップだった。
 貸し出し図書のジャンル別では、小説などの文学作品が人気で、ベストセラー作家の東野圭吾さんや宮部みゆきさんの作品が上位に入る。落語、小説の朗読、クラシック音楽のCDなども人気がある。
 三館の特長は、貸し出しに居住地の制限を設けていないこと。笠間図書館は土地柄、笠間焼に関する蔵書が多いが、司書の矢作幸枝さんによると「(益子焼が盛んな)栃木県益子町の陶芸家の利用も多い」。
 利用を活発にするために、さまざまな努力も続けている。図書の写真、イラストなどを見せないように手づくりのカバーをかけ、わずかなキーワードだけで図書を手に取ってもらう企画「仮面読書会」は特に人気があった。
 矢作さんは「日本一を続けることが年々プレッシャーになってきたが、要望のある資料を取りそろえ、利用がさらに増えるようにしたい」と宣言。「V10達成」に意欲を見せる。

本の魅力をPRする「ポップ」のコンテスト結果発表=潮来市立図書館で

 一方、潮来市立図書館の貸し出し点数は二十八万三千九百六十四点。「人口三万人未満の市区」で、全国九十六市区の首位だった。
 特に力を入れているのは大活字本の拡充。高齢化が急速に進む鹿行地域ならではの課題だ。利用者が館内で複数の図書を運べる手押しタイプのシルバーカーについても、複数台の導入を検討している。
 開館は〇六年と比較的新しい。坂本栄子館長によると、〇一年の二町合併で新市となった際、市民の要望で特に多かったのが、図書館の建設だった。それまでは鹿嶋市や神栖市、さらには千葉県香取市の図書館まで足を延ばさなければならなかったからだ。
 力を入れているのは、やはり利用者増に向けたイベントの開催。図書を手に取ってもらうための宣伝文「ポップ」を利用者に考案してもらったり、図書館に関連する川柳を募集したりしている。
 坂本館長は「イベントは、楽しいかどうかを図書館職員が実際に体験して確認している。読書を通じて利用者が心を豊かにしたり、将来の夢を実現したりすればいい」とほほ笑む。

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