入浴剤でリラックス コロナ下で人気 おうち温泉

2022年1月13日 08時50分

売り場に並ぶ多様な入浴剤=名古屋市で

 湯船にゆっくりつかって、心身ともにリラックス−。コロナ禍で在宅時間が増える中、入浴剤の人気が高まっている。寒い日が続き、まだまだお風呂が恋しい季節。専門家に入浴剤の選び方や楽しみ方、新しい生活様式を踏まえた入浴時の注意点を聞いた。 (吉田瑠里)
 約二百二十種類の入浴剤を扱う名古屋市内のドラッグストア。竹内美紗店長(28)は「新型コロナが流行してから売り上げが伸び、売り場を広げた」とほほ笑む。「ぜいたく感を味わえる高価格帯の商品が人気。いろいろ試せるように一回分タイプも増やしている」
 市場調査会社インテージ(東京)によると、二〇二〇年の入浴剤の売り上げは前年より15%増えた。二一年も前年比6・6%増。担当者は「外出自粛で温泉などレジャーを控える動きもあり、家庭での楽しみやリラックスのために需要が高まった」と分析する。
 入浴剤大手バスクリン(同)が昨年三月、十五〜六十九歳の二千人に聞いた調査では、昨冬、毎日湯船につかった人は前年比3・3ポイント増の50・7%。十分以上つかる人も2・9ポイント増えた。期待する効果は「体を温める」がトップの59・5%で約20ポイント増加。「体全体の疲れ」も大きく伸びた。
 「入浴剤も上手に使い、お風呂で心身を切り替えて」と訴えるのは東京都市大教授で温泉療法専門医の早坂信哉さん(53)。産業医でもある早坂さんは「在宅勤務は長時間残業してしまいがち」と心配する。「入浴すると副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなる。通勤に代わるオンオフの切り替え時間にもなる」
 入浴剤は主に「炭酸ガス系」と「無機塩類系」に分かれる。疲れを取りたいときは炭酸ガス系がお薦めだ。お湯に溶け込んだ二酸化炭素が皮膚から吸収され末端の細い血管を広げるため、血流が良くなって体が温まり、疲労物質が流れ出る効果がある。
 一方の無機塩類系は湯上がりの保温効果が高まる。硫酸ナトリウムなどの塩類が肌の表面に膜を作って水分の蒸発を防ぎ、気化熱が奪われにくくなる。両タイプを混ぜた入浴剤もあり色や香りを楽しむ物も多い。国などの承認を得た医薬部外品や、浴用化粧料と表示された商品だと安心だ。

◆お風呂の楽しみ方 40度に10分/水分補給を

 日本では古くから、季節の植物を入れる「薬湯(やくとう)」も楽しまれてきた。一月は松湯、二月は大根湯…と続き、五月はしょうぶ湯、十一月はみかん湯、十二月はゆず湯といわれる。「浴室に花を持ち込むだけで香りが立ちこめる」と早坂さん。洗面器にはった湯にアロマオイルを数滴たらすのも手軽で、家族の好みが合わないときも楽しめる方法だ。
 入浴時間は、四〇度程度の湯に十分ほどつかるのがいい。二十分など長時間入るとのぼせる心配がある。長く楽しみたいなら、十分ほどでいったん湯船から出て体を洗ったり、涼んだりするといい。
 また、普段マスクをしていると口の渇きを感じにくい。入浴前にはコップ一、二杯の水分を取りたい。換気のため、廊下などが外気で冷えていることがある。急激な温度変化によって心筋梗塞や脳卒中などを起こす「ヒートショック」を防ぐため、入浴前後はスリッパを履くなど暖かい格好を心掛けたい。飲酒直後の入浴も避けよう。血圧が下がりすぎて意識を失う危険があるからだ。

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