コロナ10万円給付、なぜ子育てしていない離婚相手に…子ども4万人に届かずとの試算も

2022年1月14日 06時00分
 政府が進める18歳以下の子どもへの10万円相当給付を巡り、昨年9月以降に離婚した世帯では、子どもを実際に育てているひとり親ではなく、元配偶者の口座に入金されたという報告がひとり親の支援団体に相次いでいる。立憲民主党は4万人以上の子どもに給付が届いていないと試算しており、関係者から救済策を求める声が出ている。(我那覇圭、大野暢子)

◆昨年9月以降に離婚で

 10万円相当給付は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が昨年11月に閣議決定した経済対策に盛り込まれた。一定の所得を下回る世帯の子ども1人に現金10万円を給付するか、現金5万円と5万円相当のクーポン券をそれぞれ給付するかを自治体が決める。
 政府は現金の一部を昨年内に給付するよう自治体に要請。事務手続きを迅速に進めるため、中学生以下の子どもに現金を支給する既存の児童手当の仕組みを活用し、同制度の8月末時点のリストを基に給付を進めた。9月以降に離婚した場合も児童手当のリストに基づいて給付したため、子育てをしていない元配偶者の口座に現金が振り込まれるケースが生じた。
 立民は一昨年の離婚件数などを基に試算した結果、給付が受け取れなかったのは2万7000世帯の子ども4万1000人に上ると推計している。

◆DV加害者が受け取る可能性も

 別居して実質的に離婚していても、口座が変更されていなければ同じ問題が起きる。家庭内暴力(DV)の加害者が受け取るケースも否定できない。
 内閣官房の担当者は取材に「給付の制度として完全ではなかったが、迅速性を優先した」と釈明。昨年末に自治体を通じ、離婚した夫婦で給付の使途などを話し合うよう呼び掛けた。自治体には、国の交付金を使い、給付が受け取れなかったひとり親に現金を渡す代替策も提示している。

◆「最も苦しい時期に支援が得られていない」

 ひとり親を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」にも昨年12月以降、「自治体の窓口で給付できないと言われた」という声が複数寄せられている。
 事務局の小森雅子さんは「新型コロナで困っている人を助ける目的の給付だが、離婚直後の最も苦しい時期に支援が得られていないケースが相次いでいる。政府は救済策を検討してほしい」と訴えている。

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