「いっそコロナに…」共通テストの異例の救済策、直前の変更に受験生は困惑

2022年1月13日 22時00分
大学入学共通テストに向け勉強に励む受験生と、指導する柳原浩紀さん㊥=12日、東京都杉並区で

大学入学共通テストに向け勉強に励む受験生と、指導する柳原浩紀さん㊥=12日、東京都杉並区で

 大学入学共通テストが15、16日に全国677会場で実施される。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染が急拡大する中、文部科学省は感染時を想定した異例の救済策を直前に打ち出した。しかし急ごしらえの対策だけに、本番を目前に控えた受験生らは不安や疑問を抱えつつ最後の追い込みに励んでいる。(奥野斐)

◆「受験生への配慮が感じられない」

 シーンと静まりかえった緊張感漂う教室。杉並区の「嚮心(きょうしん)塾」では12日午後、受験生十数人が黙々と勉強に取り組んでいた。
 文科省は11日、新型コロナの影響で共通テストを受けられない受験生の救済策として、国公立大の二次試験など個別試験のみで合否判定を可能にするよう各大学に通知した。共通テストを受けないことが逆に有利に働くのではという疑念には、12日に「各大学が厳格に判定するので、有利にはならない」とホームページで否定した。
 昨年に続きコロナ禍で受験する男子浪人生(20)は「政府の方針がコロコロ変わりすぎ。受験生への配慮が感じられない」と不満を漏らす。国公立大の医学部志望で、二次試験は理数科目中心だが、共通テストは文系科目も受験が必要だ。「共通テストを受けなければ総合的な学力を測れないのでは」と指摘する。

◆受験生や保護者の不安がない対応を

 同じく医学部志望の高校3年女子生徒(18)は「わずかな点差で合否が決まるかもしれないのに。いっそコロナにかかった方がいい、と考える子もいると思う」と話す。別の高校3年の女子生徒(17)は「政府の対応に追い付くのが大変」と困惑した表情だった。
 塾長の柳原浩紀さん(45)は「受験機会の確保と感染対策の両立は難しいが、テストの免除などを認める今回の救済策は公平性に疑問が残る」と指摘。「学力が正確に評価されたのか、受験生や保護者が不安を抱かずにすむような対応をしてほしい」とも注文した。
 一方、大手予備校「河合塾」の新宿校には、今のところ文科省の通知に関する相談や問い合わせはほとんどないという。最上芳光校舎長は「受験生には、まずは体調管理をしっかりとして努力の成果を試験会場で出せるように声をかけている。落ち着いて、気負わず、いつも通り力を出して頑張って」とエールを送る。

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