倒産件数、57年ぶり低水準は「異常な状態」 経営危機先送りで黒字倒産か息切れ倒産増える恐れ

2022年1月14日 06時00分
東京駅を挟んで左側が丸の内のオフィス街。右側が八重洲のオフィス街

東京駅を挟んで左側が丸の内のオフィス街。右側が八重洲のオフィス街

 東京商工リサーチは13日、2021年の全国の企業倒産(負債額1000万円以上)件数が前年比22・4%減の6030件と、1964年(4212件)に次ぐ57年ぶりの低水準だったと発表した。いずれも東京五輪の開催年だが、64年が高度経済成長期の好景気で減ったのに対し、21年はコロナ禍で事業環境が厳しい企業への資金繰り支援で抑制した形。経営危機は先送りされている。

◆資金繰り支援策が倒産を抑制

 コロナを原因とする倒産は1668件と前年から倍増したが、全体の倒産件数は2年連続で減少。コロナ直撃業種をみても、宿泊業が27%減の86件、飲食業は時短協力金の効果で23%減の648件、小売業(衣服など)も37%減の124件にとどまった。
 東京商工リサーチの担当者は「五輪の自国開催年はいずれも倒産件数が低水準だが、意味合いは全く異なる。21年は政府の実質無利子・無担保融資や飲食店への協力金などで抑制されているにすぎず、異常な状態」と指摘する。
 中小企業団体幹部も「各社の経営危機が先送りされている状況」と認める。実際に多くの中小企業は借入金が積み重なっており、22年以降は返済が順次本格化していくとみられる。
 商工リサーチの見通しでは、今後好景気になっても過剰債務のために追加での借り入れができない黒字倒産が増える恐れがあり、景気が悪くなれば息切れ倒産する可能性がある。「どちらにしても倒産件数は増加する可能性が高い」(担当者)とみている。(嶋村光希子)

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