「なぜ入管は国連の指摘を無視するのか」 難民申請中の外国人2人が国を提訴

2022年1月14日 06時00分
 裁判などの審査がないまま出入国在留管理庁の施設に長期間収容されたのは国際人権規約に違反するなどとして、難民申請中の外国人男性2人が13日、国に計約3000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。2人の収容を巡っては国連の作業部会が2020年、同規約に違反すると指摘したが、政府は「事実誤認」と反論している。

「なぜ入管は国連の言葉を無視するのか」などと訴えるデニズさん(右)とサファリ・ディマン・ヘイダーさん=13日、東京・霞が関の司法記者クラブで

◆国連の作業部会「恣意的拘禁、自由人権規約に反する」

 提訴したのは、イラン国籍のサファリ・ディマン・ヘイダーさん(53)とトルコ国籍でクルド人のデニズさん(42)。
 訴状によると、サファリさんは1991年、デニズさんは2007年に来日。それぞれ母国での迫害を訴えて入管に難民申請をしたが認められず、強制退去処分となった。その後、10年以上にわたり、入管施設収容と仮放免を繰り返されてきた。現在は仮放免となっている。収容時は収容期間を告げられないことなどで精神的苦痛を受け、自殺未遂に至ったとも主張している。
 国際人権規約は、身体的拘束には司法審査が必要とするが、日本では入管の裁量で外国人を施設に収容している。このため国連人権理事会の作業部会は20年9月、2人が仮放免後に再収容されたことは「恣意的拘禁に該当し、自由人権規約に反する」とし、日本の入管難民法は、人権規約にそぐわないと指摘していた。

◆「なぜルールを守らないのか」

 提訴後の記者会見でサファリさんは「裁判で正しい判断をしてほしい。他の外国人の人権も守ってほしい」と訴えた。デニズさんは「入管は、私たちにルールを守れと言うが、なぜ入管は国連の言葉を無視し、ルールを守らないのか。最後まで頑張りたい」と話した。
 出入国在留管理庁の担当者は「訴状の内容をみて適切に対応したい」とした。(望月衣塑子)

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