<裾野市政の課題>財政再建の道筋いかに 税収減が慢性化、影響は市民生活に

2022年1月14日 07時58分

先の見えない休館が続いている「ヘルシーパーク裾野」=裾野市須山で

 十六日告示、二十三日投開票の裾野市長選には、現職で三選を目指す高村謙二さん(57)=自民推薦=と、元市議の村田悠(はるかぜ)さん(34)が、いずれも無所属での立候補を予定している。新型コロナウイルス禍も相まって税収減が慢性化し、市は昨年二月に独自の財政非常事態を宣言。その影響が市民生活に及び始めている。(佐野周平)
 富士山を望む温泉と温水プールで市民に長く親しまれてきた「ヘルシーパーク裾野」は、約五カ月前から先の見えない休館が続いている。
 市から運営を受託する市振興公社は昨年八月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休館を始めた。当初は約一カ月間だけの予定だったが、コロナ禍による経営悪化を理由に、休館をたびたび延長。ついには営業再開しないまま、昨年十二月に指定管理業務から撤退することを発表した。
 二〇二〇年度、コロナ禍で入場者数が前年度の半数以下に激減。市は同公社の負担を軽減するため、年間指定管理料を倍以上の約六千万円に増額した。しかし、財政非常事態宣言下の二一年度は同規模の指定管理料を維持するのは難しく、同公社の撤退を受け入れるほかなかった。
 先行きが示されないままに休館が延長される間、市には再開時期などを尋ねる問い合わせが百件以上あった。同施設を定期的に利用していたという男性は「すぐに再開されると思っていたら、あれよあれよという間にこんな事態になっていた。他にやりようはなかったのか」と嘆く。
 市は公募で新たな運営事業者を選び、最短で四月再開を目指しているが、担当者は「現実的には非常に厳しい。数カ月はずれ込むのではないか」と説明する。
 市は二二年度から五カ年で取り組む第二期行財政改革で、公共施設の統廃合や縮小を検討するなど、市民サービスの水準を下げる方針を示している。ヘルシーパークに関しても、指定管理料を抑えるため、新たな運営事業者にプール営業と無料送迎バスの運行は求めない考えという。
 市内で街づくりに取り組む一般社団法人「マチテラス製作所」の副代表理事を務める志田忠弘さん(68)は「市からは、市民の意見を聞こうという意識が感じられない。市民が納得し、協力しようと思えるような進め方をしてほしい」と求める。
 第二期行財政改革では、小中学校の再編や補助金の見直しなどにも踏み込む。市民にとって痛みが伴う改革となるだけに、市民が共感できるようなビジョンを示すことが求められる。

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