米国の連邦最高裁が企業のワクチン「義務化」を差し止め バイデン大統領「失望した」

2022年1月14日 19時22分

13日、米ワシントンで、米議会を訪れた後、報道陣の前で話すバイデン大統領=AP

 【ワシントン=吉田通夫】米連邦最高裁は13日、連邦政府に対し、従業員100人以上の企業に新型コロナウイルスのワクチン接種を実質的に義務付ける制度の差し止めを命じた。義務化を封じられたバイデン大統領は同日、逼迫した医療機関を抱えるニューヨーク州など6州への軍医派遣など対応に追われた。
 制度は、国の安全な職場づくりの基準を準用し、企業に対して社員にワクチンを接種させるか週1回の陰性証明書を提出させ、守らない場合は罰金を科す内容。対象は8400万人で、バイデン政権は昨年秋に公表したが、今回の判決は基準が「幅広い公衆衛生手続きを定めたものではない」と指摘した。
 バイデン氏は声明で「失望した」と表明し、引き続きワクチン接種を呼び掛ける考えを示した。

新型コロナウイルスのワクチンのサンプル(米ファイザー提供)

 米国では共和党支持層を中心にワクチン接種への反発が根強く、民主党のバイデン政権が打ち出した接種義務化に対し、共和党の知事らが相次いで提訴していた。今回の最高裁による差し止め判断も、支持したのは判事9人のうち共和党政権時に任命された6人で、民主党政権時に任命された3人は反対した。
 米国では規定回数のワクチン接種を終えた人は人口の63%にとどまり、新規感染者数は今月に入って1日当たり100万人を超えるなど激増。入院者も過去最多を更新し、医療機関の負担が高まっている。
 このため、バイデン氏は13日、120人以上の軍医ら医療チームをニューヨーク州のほかミシガン州など6州に派遣すると発表。これまでに350人以上が24州に派遣されているという。同時に、簡易検査キット5億個の追加配布も発表。すでに発表済みの5億個と合わせて10億個に倍増させ、無症状感染者も多いとされるオミクロン株の検出に力を入れる。

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