生産緑地の2022年問題、都内9割が「緑地」維持へ<教えてQ&A㊦>

2022年1月16日 05時50分
 都市部の農地売却による地価下落などが懸念される「生産緑地の2022年問題」が深刻化する可能性は低そうです。前回に続き都市農地活用支援センターの佐藤啓二氏に聞きました。(妹尾聡太)
 Q 生産緑地に指定された農地や林地の多くは残るようですね。
  ほとんどの生産緑地は、引き続き10年ごとに延長可能な「特定生産緑地」の指定を受けるとみられます。東京都の調べでは、22年に期限を迎える都内の生産緑地約2400ヘクタールのうち、昨年7月時点で約9割が特定生産緑地に指定済み、または指定見込みでした。全国でも今年の対象面積の8割以上が特定生産緑地に移行する見通しです。
 Q 高い割合です。
  かつては宅地化すべきものと位置付けられていた都市の農地が、保全・活用するものへと性格を大きく変えたことが関係しています。15年に成立した都市農業振興基本法などに理念が盛り込まれ、自治体や農業団体が農家に保全を呼び掛けてきました。
 Q 都市にある農地の役割とは。
  農作物の供給にとどまらず、住民の農業体験や交流、緑のある良好な景観の保全、災害時の防災空間などさまざまな役割が期待されます。東京23区で最も生産緑地が多い練馬区では、19年に「世界都市農業サミット」も開かれました。これからの都市は人に優しく持続可能であることが大切。大都市の中に点在する農地は、農村を急速に開発した日本独特の景色ですが、これを今後の都市づくりにどう生かすかが重要な課題です。

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