<新型コロナ>神奈川県、オミクロン株特定検査中止へ 感染者急増で保健所の負担増大

2022年1月16日 07時16分
新型コロナウイルスのオミクロン株(国立感染症研究所提供)

新型コロナウイルスのオミクロン株(国立感染症研究所提供)

 神奈川県は十四日、県内医療関係者らを集めた会合を開き、新型コロナウイルス感染者のうち、オミクロン株が疑われる事例が既に八割に達しているとして、今後は同株を特定する検査をやめることを明らかにした。新規感染者数が急増して保健所の負担が増大しているとし、さらなる業務の簡略化も提案した。(志村彰太)
 一月上旬の感染者を簡易的に調べたところ、78%が同株の疑いがあり、うち七割はワクチン二回接種済みだったという。これまでに比べて軽症者が圧倒的に多くて病床使用率は低い一方で、保健所の業務は逼迫(ひっぱく)している。このため、県は「オミクロン株の特性を踏まえた対策に変える必要がある」と判断した。
 まず、濃厚接触者を特定する「積極的疫学調査」は、「市中感染では意味がなくなった」(阿南英明・医療危機対策統括官)として、調査対象を保健所の判断で絞る。クラスター(感染者集団)が発生しやすく、重症化リスクの高い人が多い高齢者施設には、抗原検査キットを配布。職員らがセルフチェックし、感染を広げる前に自主的に対応を取ることを促す。
 一方、新規感染者数は今月に入り、一日ごとに一・四倍のペースで増加。このまま続けば、PCR検査などを担う「発熱診療等医療機関」が逼迫する恐れがある。県は今後の対策として、県内各地で実施している無料のPCR検査を活用する案を示した。現在、無料のPCR検査で陽性の人は、同医療機関で再検査しないと、感染者として認められない運用になっているが、無料PCR検査だけで認められるようにする。
 病床逼迫に備える方策では、基礎疾患があるものの重症化リスクが比較的低い人は、宿泊療養施設で療養してもらう案を提示。宿泊療養施設で巡回診療や薬の処方も受けられるようにする。
 こうした対策でも追いつかないほど感染者が増えれば、自宅療養者への食料配送や健康観察業務がパンクし、貸与するパルスオキシメーターも数が足りなくなる恐れがある。今後、法的にどこまで対応の簡略化が可能なのか検討するという。

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