五輪選手団との交流 早大生、横断幕をブックカバーに 小学生らに贈る予定

2022年1月16日 07時27分

選手が宿泊した学生寮に飾った横断幕=所沢市の早稲田大所沢キャンパスで

 昨夏の東京五輪前、キャンパスでイタリア選手団が事前キャンプをした早稲田大学の学生たちが、キャンプ地で使われた横断幕の再利用方法を考えた。持続可能な開発目標(SDGs)の実現を掲げた東京大会。ブックカバーに再生し、同国選手団と交流した思い出の品とする。(飯田樹与)
 同大所沢キャンパス(所沢市)では七月から八月にかけて約一カ月間、水泳や陸上、フェンシングなど六競技の同国選手が事前キャンプをした。期間中、プールや陸上競技場などの練習場や、選手が宿泊した学生寮に赤、白、緑のイタリアンカラーの横断幕が飾られ、選手団の退去時に、同国オリンピック委員会から同大に寄付された。
 横断幕は防汚性と耐水性に優れたターポリン素材の生地と、防炎性のある生地の二種類あり、一番長いサイズは横一九・五メートル、縦〇・七メートル。十六枚全てをつなげると約百メートルになる。

イタリアオリンピック委員会から寄贈された横断幕=東京都新宿区の早稲田大で

 イタリアは東京大会で、同国史上最多となる四十個のメダルを獲得した。うち十四個は同キャンパスで練習した選手たちが獲得し、中でも陸上男子二十キロ競歩のマッシモ・スタノ選手と、女子同のアントネラ・パルミザノ選手はともに金メダルに輝いた。
 同大オリンピック・パラリンピック事業推進プロジェクト室の梅森亜津佐さんは、横断幕の寄贈は躍進を支えた事前キャンプ地に「何か残していけないかと考えてくれたからでは」と推測する。倉庫に眠らせておくだけではもったいないと、オリパラの機運醸成などに関わる同大学生ボランティア団体に声を掛け、利用法を考えてもらうことにした。
 再利用プロジェクトには学生五人のほかに、所沢市職員と縫製業者らも参加した。昨年十二月のコンペでは学生たちが腕章や防災袋、ペットボトルケース、ペンケースなどのアイデアを提案。その中から普段使いができて五輪の経験をいつでも思い出してもらえる上に、縫製も簡単なブックカバーが選ばれた。プロジェクトの趣旨を説明した小冊子を挟み、同国選手団と交流した地元の小学生や学生らに贈る予定だ。余った端材でタペストリーも作り、室内装飾や災害時の簡易間仕切りへの活用を見込む。
 ブックカバー案を考えた大原ひなたさん(21)は、所沢キャンパスにある人間科学部に通う。昨夏の事前キャンプでは会場の設営などを担当し、少ないながらイタリア選手やコーチとの交流もあった。スポーツによって海外の人とも気持ちを通じ合わせられると学んだといい、「選手団との交流を思い出しながら、ブックカバーを長く使ってもらえたら」と話した。

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