最優秀作品賞に「偶然と想像」 高崎映画祭 各賞決まる

2022年1月16日 07時43分

映画「偶然と想像」の一場面(高崎映画祭提供)

 第三十五回の高崎映画祭各賞が十四日、同映画祭委員会から発表され、最優秀作品賞に濱口竜介監督の「偶然と想像」が決まった。授賞式は三月二十六日午後四時から、高崎市の高崎芸術劇場大劇場で予定している。(安永陽祐)
 昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を見送り、二〇二〇年一月〜二一年十二月に国内で劇場公開された約七百五十の邦画作品を対象に同映画祭選定委員会が審査した。
 最優秀作品賞の「偶然と想像」は三話の短編から成るオムニバス形式。登場人物に偶然起こる出来事を会話劇で描いた。コロナ禍の中、少人数、短い期間で製作したという。「空間と場と人間だけで作ったシンプルな面白さがコロナ禍の今、心に訴えるものがある。大金をつぎ込まなくても映画は世界を広げられると証明しようとしたような作品」と評価された。
 最優秀監督賞は「いとみち」の横浜聡子監督と、高崎市などで撮影した「由宇子の天秤(てんびん)」の春本雄二郎監督。横浜監督は「土地の息遣いが伝わってくる繊細さと伝統と風土が育んできた人のたくましさが伝わってくる人物描写が見事」、春本監督は「社会構造から切り込み、物事の本質に迫ろうとした」と評された。
 今回から男優、女優の区別を無くして統一した最優秀主演俳優賞には「偶然と想像」の占部房子さんと河井青葉さん、「ドライブ・マイ・カー」の西島秀俊さんに決まった。
 同映画祭の志尾睦子プロデューサーは「非常に厳しい状況だった映画業界の中で、自分たちの伝えたいものをミニマムな形でもどうにか撮ろうという作家性として優れた人たちと、制作環境を見直しながら撮ることを試みようとした人たちの作品が並んだ」と総評した。映画祭は三月二十五〜三十一日に高崎芸術劇場やシネマテークたかさき、高崎電気館で予定している。

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