領土交渉 進展せず 日ロ、共同経済活動試行へ

2019年6月30日 02時00分

首脳会談に臨むロシアのプーチン大統領(左)と安倍首相=29日、大阪市で(代表撮影)

 安倍晋三首相は二十九日、ロシアのプーチン大統領と大阪市内で会談した。北方領土問題を含む平和条約締結交渉に大きな進展はなく、交渉を継続することで一致した。両国企業による北方四島での共同経済活動について、今秋にも試行的な観光ツアーを実施することを確認した。
 首相は会談後の共同記者発表で平和条約交渉を巡り「戦後七十年以上残された問題について、立場の隔たりの克服は簡単ではない」と難航を認めた。プーチン氏も「両国関係を質的に新しいレベルに高め、相互信頼を深める必要がある」と現状では進展は難しいとの考えを示した。
 両首脳は試行的な共同経済活動として観光ツアーのほか、両国のごみ処理の専門家の往来で一致。交流拡大に向けたロシア企業関係者や大学生を対象とした査証(ビザ)手続きの緩和でも合意した。北朝鮮の非核化に関しても協議した。
 両氏は昨年十一月、平和条約締結後に歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島を日本に引き渡すとした一九五六年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで一致。一時はG20サミットの際の会談での大筋合意に期待が高まったが、ロシアの世論は北方領土返還に抵抗が強く、合意は見送られた。
 両首脳の会談は今年一月以来で、二十六回目。プーチン氏の来日は二〇一六年十二月以来三年ぶり。 (大杉はるか)

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